久道進の日記帳

文芸同人サークル「Whatnot」活動報告/本、アニメ、映画、ボードゲーム等の感想・レビュー

「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」

 テレビ放映されたものを視聴。
 休業中の殺し屋、ファブル。彼はある日、昔仕事に巻き込んで怪我を負わせてしまった女性を見つけてしまう。自分のせいで下半身が動かなくなってしまった女性の姿に責任を感じ、気に掛ける彼だったが……彼女の側には、裏の仕事を引き受ける危険な悪党たちがいた……といった感じのお話。
 独特のブラックユーモアと、迫力のあるアクションシーンが楽しめる作品でした。休業中で殺しを禁じられながらも、圧倒的な力で敵を無力化していくファブルの戦いぶりがかっこよく……でも日常の振る舞いにはどこかとぼけたところがあって、そのギャップがまた面白かったです。
 面白い作品でした。劇場版一作目も見たくなってしまいますね。

 

 

「天王寺さんはボドゲがしたい」第2巻

 女子高生たちのボードゲームコミック、第2巻。
 クラスメートの天王寺ユリアを一方的にライバルのように思っている少女、南森ゆき。ユリアの意外な素顔を見たことをきっかけに、ボードゲームの世界に足を踏み入れたゆきは、ボードゲームをするための部である「海外文芸部」に入部することになる。そこでゆきは、部の先輩やユリアたちと、また新しいボードゲームを遊ぶことになるのだが……といった感じの展開。
 登場キャラクターのやり取りや表情の変化が楽しくて面白く……そして、真剣にボードゲームを遊び、それを楽しんでいる彼女たちの気持ちが伝わってくるのがとても良い感じでした。
 推理ゲームに協力ゲームと、1巻で出てきたゲームとはまた違ったボードゲームが登場し……ボードゲームと一口に言っても、多くの種類があり、ゲームごとに違った魅力があることが分かるようになっているのも良かったです。
 読んでいると、自分もボードゲームで遊びたくなってきてしまいますね。「ザ・マインド」は一応持ってはいるのですが……イベントで一度、その企画用の特殊ルールで遊んだことがあるだけなので……いつか正式なルールでちゃんと遊んでみたいですね。
 楽しいコミックでした。

 

 

「Discipline(ディシプリン) ~ジェレミア魔法学校の3年間~」ソロプレイ

 魔法学校の生徒指導を題材にしたゲーム。先生となって生徒を見守り、落第生を出さずに皆を卒業させることを目指すゲームです。ソロプレイもできるということで、遊んでみました。以下の説明・感想は、ソロプレイルールのものになります。
 最初に、4クラスの中から担任として受け持つクラスをランダムで一つ選び、そのクラスの生徒カードと席番号カード、イベントシート、担任カードを受け取ります。生徒は1クラス12人、その生徒カードをシャッフルして、横3枚・縦4枚となるように場に並べます。それから、席番号カードをシャッフルして3枚を引き、その席番号の位置にある生徒カードの上にパワーマーカーを1個ずつ置き……続けて同じように席番号カードをもう3枚引いて、その席番号の位置にある生徒カードの上に、ネガティブマーカーを1個ずつ置きます。その後、席番号カードをまとめてシャッフルして山札を作り直し……進行カードの学年「1st year」のマスと、進行カードのフェーズ「席替え」のマスに、ターンマーカーをそれぞれ置いて……ゲームの準備は完了となります。
 ゲームの期間は3年間。1年の最初は「席替え」から始まり、合計6回の「授業」と合計2回の「職員会議」を行い、最後に「リシャッフル」で席番号カードの山札を作り直して、1年間が終わることになります。
 各学年最初のターンとなる「席替え」では、場に並んだ生徒カードから2枚を選び、その位置を交換することができます。
「授業」のターンは、「一斉授業」と「個別指導」の2フェーズで構成されています。「一斉授業」ではまず席番号カードを1枚引き、その席番号の位置にある生徒カードの上にパワーマーカーを1個置きます。続けてもう1枚席番号カードを引き、その席番号の位置にある生徒カードの上にネガティブマーカーを1個置きます。このとき、ネガティブマーカーを置かれた生徒カードと、その上下左右にある生徒カード、それぞれの上にあるパワーマーカーの数を比べ……ネガティブマーカーを置かれた生徒よりもパワーマーカーの数が少ない生徒は、その影響を受けてネガティブマーカーを1個置かなければなりません。「一斉授業」の次の「個別指導」では、場の生徒カードを1枚選び、その上にパワーマーカーを1個置くか、もしくは置かれているネガティブマーカーを1個取り除くか、どちらかのアクションを行うことになります。また、生徒カードには特殊な効果を持つものもあり……「一斉授業」ではパワーマーカーを配置できなかったり、逆にパワーマーカーを2個配置できる等、様々な生徒がいます。
「職員会議」では、席番号カードを2枚引き、そのどちらか1枚を選び……イベントシートに記載された、その席番号カードの位置にある生徒のイベントを処理することになります。
 1枚の生徒カードの上に置けるパワーマーカーの個数は最大5個。またネガティブマーカーの個数は最大3個までとなっており……ネガティブマーカーが4個置かれてしまった生徒は休学となり、その生徒カードの上に置かれたすべてのマーカーを取り除き、カードを裏返しにしなければなりません。復帰させるには、「職員会議」のターンで、その生徒の位置の席番号カードが引かれた際に、その席番号カードを選ぶ必要があります。
 3年の期間を終え……最後の「卒業試験」として、「個別指導」「一斉授業」の順番で「授業」のときと同じアクションを行い、ゲーム終了となります。ゲーム終了時、休学している生徒と、生徒カードの上に1個もパワーマーカーが置かれていない生徒は落第となり……ソロプレイでは、落第生が3人以上いる場合は、「教員失格」の評価を受けてしまうことになります。落第生が0名なら「一流教員」となり、もちろんその評価を目指してゲームをすることになります。
 生徒を見守り指導する先生の大変さを疑似体験するかのようなゲームでした。様々な特徴を持った生徒たち。天才で「一斉授業」で多くのパワーマーカを手に入れられる生徒もいれば、勉強が苦手で「個別指導」でないとパワーマーカーを配置できない生徒もいて……一匹狼で周囲のネガティブマーカーの影響を受けない生徒もいれば、同じクラスの生徒が休学したらそれを気にしてネガティブマーカーが配置されてしまう生徒もいる……生徒カードの上のマーカーの個数に目を配り、「個別指導」で調整をしていかないと、パワーマーカーが配置されないままの生徒や、休学に追い込まれてしまう生徒が出てきてしまったりします。「職員会議」で起きるイベント……生徒の起こすトラブルによってもネガティブマーカーが配置されたり、逆にパワーマーカーが取り除かれてしまったりすることもあり……まったく気が抜けないゲームでした。登場キャラクターはみんな女の子たちなのですが……クラスメートの影響を受けやすい、繊細な少女たちの難しさが表されているかのようでもあり……遊んでいて、先生はほんと大変だなぁと思ったりもしました。
 キャラクターのイラストは可愛く、特殊効果や「職員会議」でのイベントから、生徒たちの個性も伝わってきて……遊びながら、いろいろな物語が想像できるのも楽しいところでした。ゲームを進めていくうちに生徒に対して自然と愛着がわいてきて、皆を無事卒業させてあげたいと思えてきたりもしました。
 2回遊んでみて……1回は「新人教員」、もう1回は「一流教員」としてゲームを終えられました。4クラスあり、それぞれ生徒が違っているので……他の2クラスでも遊んでみようと思います。
 複数人プレイでは、「個別指導」の際に他のクラスの先生に協力を要請したり、「職員会議」では全員で相談してどの生徒のイベントを起こさないか決めるなど……協力ゲームとしての要素が加わる感じになっています。より先生の疑似体験ができる感じになっているようで……いつか、複数人プレイでも遊んでみたいですね。

 

「聖竜伝 2 竜の歌う砦」

 荒れた大地を旅する少年少女たちの物語。竜部隊に入隊するために砦を訪れた主人公たちは、そこでまた事件に巻き込まれていくことになるのだが……といった感じの展開。
 オーソドックスなライトファンタジー。主人公たちがまだ幼さが残っているような少年少女たちということもあってか、事件もちょっと小粒な感じもあり……冒険譚としては、全体的に盛り上がりに欠けているように思えてしまいました。

 

 

「WXⅢ 機動警察パトレイバー」

 テレビ放映されたものを視聴。「機動警察パトレイバー」劇場版三作目。
 東京湾岸地域で、何者かにレイバーや人間が襲われる事件が連続して起きる。その捜査を続ける刑事たちの前に現れたのは、奇怪な巨大生物だった。巨大生物はどこから来たのか、そして刑事たちは事件を解決できるのか……といった感じのお話。
 オーソドックスなSF刑事ドラマといった感じの作品でした。レイバーと特車二課の活躍はクライマックスのみであり……ドラマは事件の謎を追う刑事二人と、事件の真相に関わる女性と男性刑事の関係が中心となっていましたね。全体的に演出が控えめなこともあってか……巨大生物の設定等はSF的なものですが、描かれている人間ドラマはとても現実的なものに感じられました。劇場版の「機動警察パトレイバー」は、刑事ドラマとしての雰囲気をより強調して作られているなぁと思ったりも。
 良質なSF刑事ドラマといった感じで、大変楽しめました。

 

 

「ドリフターズ」第5巻

 地球の偉人・英雄たちがファンタジー世界を舞台に、人類を滅ぼそうとする「廃棄物(エンズ)」と、それに立ち向かう「漂流者(ドリフ)」に分かれ戦う様を描いた伝奇活劇コミック。第5巻。
 まだ謎多き「黒王」に従い、遂に人類廃滅の侵攻を始めた「廃棄物」たち。多くの流民が押し寄せる中、「漂流者」たちは「廃棄物」と戦うための陣容を整えようとするのだが……といった感じの展開。
 決戦前の準備の巻ですが……個性豊かなキャラクターたちのやり取りがとにかく面白く、戦乱の世を生きてきた男たちの言動がほんとかっこいい。いろんな意味で非常に濃いキャラクターたちの振る舞い、それを見ているだけでも楽しいですね。偉人・英雄たちだけでなく、ファンタジー世界の人間やエルフ、ドワーフも良い味を出していて……特にドワーフが好き。ファンタジーTRPGドワーフが好きな人はきっと気に入ると思います。
 次巻、決戦。

 

 

「イグゾースト」ソロプレイ

 魔術学校の卒業試験をテーマとしたカードゲーム。数字の書かれたスペルカードを使ってコンボを作り、場に置いていき……他のプレイヤーが手札を出せなくなって脱落してしまうまで、自分の手札をやりくりして耐えることを目指す感じのゲームです。ソロプレイもできるということで、遊んでみました。以下の説明・感想は、ソロプレイルールのものとなります。
 ゲームの準備として、スペルカードを使って作れるコンボを表すコンボカードを場に並べ、時間魔法カードの山札をその側に置きます。1から15までの数字が書かれた4色60枚の数字カードと、プレイ中一緒に出したカードと同じ色・数字として扱えるコピーカード……これらのスペルカードを混ぜてシャッフルし……プレイヤー用に15枚を配り、ソロプレイでは対戦相手のNPC用に15枚をNPC用の山札として場に積み、それらとは別に4枚を補充用カードの山札としてコンボカードの側に置きます。残りのスペルカードはゲームでは使用しないので箱に戻します。そして、NPC用のスペルカード15枚の側に、NPCの手札を分かりやすくするためのNPCカードを置けば、準備完了となります。
 手番は、プレイヤー→NPCの順番で行います。手番でできるアクションは、手札からコンボを作って対応する場のコンボカードの横にスペルカードを並べるか、時間魔法カードを使用するか、その二つのうちの一つ。
 スペルカードを使って作れるコンボは、同じ数字のスペルカード2枚を使って作れる「ペア」や、同じ数字のスペルカード3枚を使って作る「3カード」、3枚以上の連続した数字のスペルカードで作る「ストレート」や、3枚以上の同じ色のスペルカードで作る「フラッシュ」等、全部で7種類。作ったコンボによって、補充用カードのスペルカードや、時間魔法カードを報酬としてもらえる場合があります。また、スペルカードでコンボを作って場に置く際……コンボの種類によって、前に置かれているスペルカードよりも大きい数字のスペルカードでコンボを作らなければならない、もしくは前に置かれているスペルカードよりも多い枚数でコンボを作らなければならない、という制限がかかる場合があり……その制限をクリアできない場合は、そのコンボカードの横に手札のスペルカードを並べることはできません。
 時間魔法カードは、コンボを作った報酬として手に入れるカードとなっており……使用した場合は、実質手番をパスするアクションとなります。使用した時間魔法カードは、場の時間魔法カードの山札に戻すことになります。
 NPCの手番では、NPC用の山札の一部をNPCの手札として場に並べ、そこからNPCのコンボの優先度に従ってコンボを作り、場のコンボカードの横に並べることになります。その際、コンボの数字や枚数に関する制限については、プレイヤーと同じように処理します。また、時間魔法カードについては、入手方法はプレイヤーと同じとなり……NPCがコンボを作ることができない場合、時間魔法カード使用のアクションを行うことになります。
 こうして、プレイヤーとNPCで交互に手番を行っていき……どちらかがコンボを作れず、使用できる時間魔法カードも無い場合、ゲーム終了となり、先に手番でアクションを行えなくなった側が敗者となります。NPC相手のソロプレイの場合、プレイヤーが勝利した後更にゲームを続けるときは、NPC用のスペルカードの枚数を、プレイヤーが勝利する度に一枚ずつ増やしていき、より難易度の高い相手に挑戦していく感じとなっています。
 手軽に遊べるルールでありながら、手札をどう使うか悩ませてくれるゲームでした。手札が減ればそれだけ作れるコンボも減ってしまい、脱落しやすくなってしまうので、なるべく少ない枚数でコンボを作っていくことを目指すわけですが……同時に手番をパスできる時間魔法カードも充分に集めておく必要もあって、そこがほんと悩ましいところ。NPC相手の場合、最初の手札は同数ですが、ゲームを繰り返していくとNPCの方が手札の枚数が増えていくことになるので、それだけプレイヤーは手札のやりくりが難しくなり……1枚の時間魔法カードの有無が、ほんとに勝敗を分ける感じになっているように思いました。
 コンボを作って場に並べるときの、数字や枚数による制限も難しいところ。NPCのスペルカードが先に置かれてしまった結果、自分のスペルカードでコンボを作れなくなってしまうこともあり……それがきっかけで負けてしまうこともありました。
 15枚のスペルカードをどう使っていくのか、程よく悩ませ、考えさせてくれるゲームでした。
 何度か遊び……今のところ、NPCの手札17枚までは勝利できています。18枚相手は、ちょっと厳しい感じですね……。
 準備も簡単で、1プレイも短めなので、空いた時間に軽く遊ぶのにも良い感じのゲームだと思いました。