「古事記」の入門書。「古事記」に書かれている有名なお話の現代語訳と原文、それに簡単な解説やコラム等。
「ビギナーズ・クラシックス」の名の通り、入門書として読みやすく、分かりやすい内容の本でした。「八俣の大蛇」や「因幡の白兎」、ヤマトタケルのエピソードなど、知ってはいても読んだことはなかったので、改めて原文等に触れられたのは良かったです。
いつか、ちゃんと「古事記」の全編、読んでみたいですね。
花束をテーマにしたカードゲーム。花タイルを組み合わせて花束を作り、花タイルから得られる点数を競い合う感じのゲームです。NPC相手に戦うソロプレイもできるということで、遊んでみました。以下の説明・感想は、ソロプレイ用ルールのものになります。
18枚の花タイルと、ソロプレイで使用する6枚のターンカードをシャッフルして、それぞれスタック・山札を作り……点数を管理するための勝利ポイントトークンを場の側に置けば、準備完了となります。
ゲームは3ラウンド。各ラウンドは、花タイルを入手する「花の差し出し」、点数獲得の準備となる「披露の準備」、花タイルから点数を獲得する「披露」の順番で進めていきます。
「花の差し出し」では、最初に「今日の準備」としてターンカードを1枚引き、ターンカードの上半分に描かれている「配列」の指示に従って、花タイルを2枚引いて、表、もしくは裏向きのまま場に並べて置きます。それから、「分配」へと移り、ターンカードの下半分に描かれている「分配」の指示を一つ選び、それに従って、花タイルの1枚を表、もしくは裏向きで自分の前に置きます。場に残ったもう1枚の花タイルはNPCが入手することになるので、同じく「分配」の指示通りに、NPCの場に置きます。尚、裏向きで場に並べられた花タイルは、自分が受け取るまで、その表を見て内容を確認することはできません。これを繰り返し、プレイヤーの前に花タイルが4枚並べられたら、次の「披露の準備」へと移ります。
「披露の準備」では、まず裏向きで自分の前に置かれている花タイルを、既に表向きで置かれている花タイルと間違えないように、半分ほど下にずらします。その後、裏向きで置かれている花タイルを表にし……並べられた4枚の花タイルに「披露の準備」の効果が書かれている場合は、その効果に従います。NPCの場に並べて置かれた花タイルも同様にし(ただし、NPCは「披露の準備」の効果は使用しません)、次の「披露」へと移ります。
「披露」では、花タイルごとに得点を計算していきます。花タイルにハートのマークが描かれている場合は、ハート一つにつき1点。そして花タイルにはそれぞれ特殊効果があるので、その特殊効果に従って点数を加算し……そのラウンドで得た点数分、勝利ポイントトークンを入手します。その後、1~2ラウンド目の場合は、NPCの花タイルを1枚(2ラウンド目の場合は2枚)、シャッフルした後にランダムでNPCの前に残し……花タイルとターンカードのスタック・山札を作り直し、次のラウンドへと移ります。ゲームが3ラウンド目だった場合は、それぞれ手に入れた勝利ポイントトークンを合計し、その数字を比べ……合計点がNPCよりも上ならば、プレイヤーの勝利となります。
手軽に遊べるカードゲームですが、NPCに勝つのはなかなか難しいように思えました。花タイルのほとんどには特殊効果があり、同じ色の花タイルを集めたり、逆に花タイルの色の種類を増やすことで点数が増えたり等、点数が加算される条件があるのですが……それら特殊効果を活かせるよう花タイルを集めるのが思いの外難しくて。「花の差し出し」で裏向きに置かれた花タイルは、自分のものにするまで内容を確認することができないので、欲しい花タイルを自由に入手できるわけではなく……まったく得点にならない花タイルを選んでしまうこともしばしばでした。表向きで入手した花タイルは「花束」として、裏向きで入手した花タイルは「思い出」として扱うのですが、この違いによって特殊効果の点数加算を受けられるか否かが変わってしまうこともあり……ほんと、特殊効果の扱いが意外に難しい感じでした。
またNPCは、2ラウンド目と3ラウンド目では、プレイヤーよりも花タイルの枚数が多くなっているので……それによる点数差を埋めるのもなかなか大変で。花タイルの特殊効果をちゃんと把握し、毎ラウンド確実に点数を得ていかないと、NPCに勝つのは難しい感じですね。何度かチャレンジしていますが、まだ勝利できていません……。
多人数プレイでは、他のプレイヤーと花タイルを差し出し合い、それを選んで自分の花束を揃えていくので……ソロプレイとはかなりプレイ感が変わりそうに思えました。
タイルの花のイラストが美しく、短時間で繰り返し遊べそうなのは良いところ。いつかちゃんと、友人たちと遊んでみたいですね。
「オーバーロード」テレビシリーズ第4期。
魔導国を作り、その力を世界に見せつけていくアインズ・ウール・ゴウン。益となる存在に対しては支援を決め、一方で自分たちに逆らうものへは苛烈な制裁を加えていく。そしてその矛先は、王国へ向けられることになるのだが……といった感じの展開。
強大で圧倒的な力を持つ魔導国とアインズ・ウール・ゴウン。その力にファンタジー世界の住人たちは翻弄され、抵抗むなしく屈することになっていくわけですが……それでいて主人公のアインズ自身が求めているものは、ファンタジー世界に転生する前の、共にゲームをした仲間や他のプレイヤーたちの存在であり……思うがままに力を振るっているように見えても、主人公が真に求めているものは未だ遠く、手に入れられる日が来るのかすらわからない……それを考えると、すごく切ないお話のようにも思えてしまいました。
アインズの部下たちは、アインズを至高の存在と崇め、ファンタジー世界の住人たちは、凶悪な力を持つアンデッドとして恐れ……彼の内にある普通の人間としての心は、誰にも知られることはない。支配者の孤独を描いたお話でもあるのかなぁと、第4期を見て思ったりもしました。
一つの国を滅ぼし、その力をまた世界に知らしめたアインズですが……彼は今後、どのような道を歩んでいくのでしょうね……。
人知れずテロや事件を解決し、日本の治安と平和を維持するために戦っている少女たち。「リコリス」と呼ばれる彼女たちによって解決した事件は、表向きには事故等として処理されていき……リコリスの犠牲によって、日本の平和の幻想は保たれていた。そんなリコリスの一人である井ノ上たきなは、命令違反を理由に所属していた組織をクビになり……依頼を受けて裏仕事をする、表向きには喫茶店の「リコリコ」で働くことになる。そこで、リコリスとして天才的な才能を持つ錦木千束と出会い、たきなの運命も大きく変わっていくことになるのだが……といった感じのお話。
少女二人の関係が丁寧に描かれた作品であり……かっこいいガンアクションが堪能できる作品でもありました。
リコリス以外の生き方を知らなかった少女たきなが、不殺のリコリスとして敵を殺さず仕事をこなし、普段は天真爛漫な笑顔で日常を大切にしている千束と過ごすことで、少しずつ変わっていく。やがて千束に隠されていた秘密が明らかとなり、その運命に共に対峙することになる……二人のキャラクターが非常に魅力的で、見ていて自然と感情移入できる感じになっていました。二人のやり取り、掛け合いも楽しい。最初はかみ合っていなかった二人の関係が徐々に深まっていき、やがて掛け替えのないパートナーになっていく様子には、バディものとしての楽しさもありましたね。
少女たちの犠牲によって「平和な日本」の幻想が保たれているという設定は、現在の日本に対しての風刺っぽいところもあるように思えました。最後の展開はかなり強引なところもあり……あの世界の日本の幻想が守られてしまったことは果たして良かったのか、少し悩んでしまうところもありますね。
総じて……設定面や最後の展開等、少し引っかかるところもありましたが、少女二人の絆を描いた物語として、またかっこいいガンアクションを描いた活劇として、楽しい作品でした。
秋の修学旅行、クリスマス、節分、雛祭り……と、秋から年明けて春まで、一気に時間が進んでしまった感じの第13巻でした。
いつも明るく天真爛漫に見えるぴかりの意外な苦悩や、年下の少年とのデートで大人っぽい顔を見せる様子など……今までとはちょっと違うぴかりの姿が、特に印象に残る巻だったようにも思いました。
先輩姉弟の幼少期のお話を描いた節分のエピソードが、微笑ましくて特にお気に入りです。