「フォーリング・エンジェル」ナンシー・A・コリンズ

「ミッドナイト・ブルー」三部作完結編。女吸血鬼ソーニャの復讐譚もこれで終わりなわけですが……個人的にはちょっと物足りなかったです。宿敵モーガン卿との決着は割とあっさりしたものでしたし、人類の未来を変える使命を持ったレーテの話にしても、ほとんど設定として語られただけのようなもので、変革した未来のイメージはあまり見えてきませんでしたし。一冊の中で色々なエピソードが語られているために、ややまとまりを欠いた内容になってしまっているような気がしますしね。
　暴力的なエログロの描写も、前二巻に比べると大人しめかな……ソーニャをもっと暴れ回らせて欲しかった。ほんと、なんか大人しくなってしまった気がします。いえ、日本のライトノベル等と比べたら、充分暴力的なんですけどね。