久道進の日記帳

文芸同人サークル「Whatnot」活動報告/本、アニメ、映画、ボードゲーム等の感想・レビュー

「ブラック・ローズ」ナンシー・A・コリンズ

ミッドナイト・ブルー」三部作の外伝ノベルで、TRPGワールド・オブ・ダークネス」の世界観で主人公ソーニャが大暴れする話……だと思っていたのですが、三部作と比べると割と大人しめのお話でした。敵も味方も皆殺しな展開になると思っていたのですが、予想外にソーニャがヒーローしてました。
 二人の吸血鬼貴族が対立するデッドタウンにやってきた吸血鬼ハンターのソーニャが、二人の対立を煽りながら、子供の願いを聞き囚われの母親を助けようとする……というのが粗筋。アメコミのヒーローものや日本の時代劇などにもありそうなお話で、実際にTRPGのシナリオでもできそうですね。ただ、「ミッドナイト・ブルー」三部作でこんな素直なヒーローものをやられても……という気持ちもあります。もっと破壊的でもいい気がします。その辺、ちょっと期待はずれのところがありました。

ブラック・ローズ (ハヤカワ文庫FT)

ブラック・ローズ (ハヤカワ文庫FT)