久道進の日記帳

文芸同人サークル「Whatnot」活動報告/本、アニメ、映画、ボードゲーム等の感想・レビュー

「本格短編ベスト・セレクション 紅い悪夢の夏」

本格ミステリ01」を二分冊文庫化したものの一冊目。小説六本、評論二本を収録。
 正統派の短編ミステリといった印象を受けました。割りとオーソドックスなものばかりで、もうちょっと奇抜なものがあってもよかったかなぁとも思ったり。本格ミステリの短編集なので、これでいいのかもしれませんが。
 個人的に好みの作品だったのは、 太田忠司さんの「四角い悪夢」と、北森鴻さんの「邪宗仏」。特に「邪宗仏」は面白かった。民俗学ネタは一歩間違うと、ただのトンデモになってしまうことも多いのですが、その辺うまくバランスをとり、全体の雰囲気を作っていたと思います。ミステリとしての謎にもうまく絡めていますし。「蓮丈那智」シリーズの他の作品も読んでみたくなりました。