第14回日本ホラー小説大賞短編賞受賞作。受賞作他、書き下ろし2編を収録。
人が皆株価で評価されるディストピア社会で、一人の男が転落していく様を描いた「暴落」。
ビルとビルの間の空き地に手錠で繋がれた男の悲劇「受難」。
人が「テング」と「ブタ」に分けられ、「テング」が迫害され殺されている社会に生きる医者と、少女行方不明事件の捜査をする、体臭恐怖症の刑事の話が交互に語られていく「鼻」。
どれもブラックユーモアたっぷりで、滑稽なところが却って怖く感じるお話でした。雰囲気作りや、会話のやり取りが非常に上手いです。後味の悪さも良。
個人的なお気に入りは「暴落」。他の2編も楽しめましたけれど、好みで。
- 作者: 曽根圭介
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2007/11/01
- メディア: 文庫
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