久道進の日記帳

文芸同人サークル「Whatnot」活動報告/本、アニメ、映画、ボードゲーム等の感想・レビュー

「ヱデンズ ボゥイ」20巻

 遂に最終巻。主神との最後の決戦、神殺しの戦いの終わりなわけですが……今一つ盛り上がりに欠けるまま終わってしまったというのが、正直な感想です。主神との対決や、その後の展開、三人の神殺しが並び立つシーンなど、本当ならもっと盛り上がるはずなんですけど。今までの超人バトルと比べると戦いがあっさり目なせいもあってか、ほんとにクライマックスがもう一つといった感じでした。主神との対決で一巻、その後の展開でもう一巻あれば、と思ってしまいます。
 完結編の第三部自体、設定の解説や過去の描写が多かったため、今一つまとまりに欠けてしまっていた印象もあります。最終巻のクライマックスに不満を感じてしまうのは、その全体の構成のせいもあるのでしょう。他のキャラももちろん魅力的ですが、お話としてはヨルンとエリシスにもっと絞って構成した方が良かったのではないかと思ってしまいます。
 個人的好みとしては、第一部が一番楽しめました。冒険のワクワク感もありましたし、今後どうなっていくのだろうと学生の頃は続きを楽しみにしていましたから。
 マイナスの感想が多くなってしまいましたが、それでも完結を迎えられたのはめでたいこと。大きなお話でありましたが、きちんと物語を終えられたと思います。エピローグも良い雰囲気。
 長い連載、お疲れ様でした。