久道進の日記帳

文芸同人サークル「Whatnot」活動報告/本、アニメ、映画、ボードゲーム等の感想・レビュー

最近の規制絡みで

 昔「週刊少年ジャンプ」に連載されていた、「アウターゾーン」というマンガのことを思い出しました。「世にも奇妙な物語」等と同ジャンルの、奇妙な話や怪奇譚のマンガです。好きな作品で、単行本は今でも全巻押入れにしまってあります。
 そのお話の中に、検閲・焚書を扱ったエピソードがありました。「不健全」なマンガを描くことが禁止され、そういったマンガは燃やされ、漫画家は逮捕されてしまう。燃やされるマンガを見て泣く少年に、母親が「見なさい、いけないマンガが燃やされるのよ」と語るシーンが印象的でした。
 掲載されたのは私が中学生ぐらいの頃、90年代前半だったと思います。「ジャンプ」の紙面での規制が突然厳しくなって、首を傾げた記憶もありますが……丁度、成人向けコミック等が問題になっていた頃なんですね。きっと切実な思いで描かれたんだろうなぁと、今になって思います。
 悪書追放運動等、規制や検閲、焚書を強行しようとする活動は昔からずっと続いていて。今では芸術とされる絵画や彫刻も、文学作品も、伝統芸能だって禁止され規制されていた時代もあって。そしてそういった規制とずっと先人が戦い続けてきたお陰で、私たちは多くの作品を楽しむことができるわけです。
 今ある作品を後世に残すためにも、私たちも諦めずに戦い続けないと。昔楽しんだ作品を思い出すとともに、そう改めて思いました。