「ドリフターズ」２巻

　ファンタジー風の異世界に送られた歴史上の武人偉人たち。彼らの戦いを描いた伝奇アクション、第２巻。
　勢いのある展開と台詞回し。派手で迫力のある戦闘シーン。合間に入る小ネタやギャグ。どれも素晴らしく楽しいですね。
　世界を恨み人間を滅ぼそうとする「廃棄物」との戦い。普通のファンタジーモノなら、主人公たちが異世界の住人と協力して世界の危機に立ち向かう、みたいな話になるのでしょうけれど……そうはならないところが平野耕太さんらしいです。異世界でも権力を持った人間の考えは同じであり、世界に危機が迫ろうが国が亡びそうになろうが、自分が持つ権力を手放そうなどと思うわけがない。だから「廃棄物」と戦おうというのなら、自分たちが国を奪うしかない、という……。
　今後は、様々な武人偉人たちと、異世界の国家、「廃棄物」たちが入り乱れての大合戦が描かれていくのでしょうか？　２巻ではあまり出番のなかった、日本の近代の軍人や海外の武人偉人がどう動いていくのかが気になります。豊久たちの仲間になっていくのか、それとも対立することになるのか……。
　それにしても、時代や国を越えて集まった武人偉人たちの戦いというのは、やっぱりワクワクしますね。

ドリフターズ 2 (ヤングキングコミックス)