表題作含めて6篇収録のSF短編集。コミカルでドタバタしたお話の中に、少しの毒が混ざったようなブラックユーモアのあるSF短編でした。
表題作で、「冷たい方程式」を題材にした「フランケンシュタインの方程式」と、味覚によってコミュニケーションをとる異星人との対話を描いた「地球はプレイン・ヨーグルト」の2作が個人的にはお気に入り。特に「フランケンシュタインの方程式」の落ちが良いですね。宇宙船に乗る二人の乗組員と、目的地まで二人分はない酸素。二人が生き残るためにとった手段がグロテスクなのに笑え、見落としていた事実を突きつけられる落ちが秀逸です。
フランケンシュタインの方程式―梶尾真治短篇傑作選 ドタバタ篇 (ハヤカワ文庫JA)
- 作者: 梶尾真治
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2003/09/01
- メディア: 文庫
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