久道進の日記帳

文芸同人サークル「Whatnot」活動報告/本、アニメ、映画、ボードゲーム等の感想・レビュー

「オーストラリア」

 録画しておいたものを視聴。
 舞台は第二次世界大戦開戦間近のオーストラリア。オーストラリアから戻らない夫の様子を見るためにその地を訪れた妻は、夫が何者かに殺されたことを知る。夫の無念を思った妻は、無骨なカウボーイや白人とアボリジニの混血児の協力を得ながら、夫の領地を奪おうとする牧場主と対決することになるのだが……。
 夫を亡くした貴婦人と、現地の無骨な男のラブロマンス。それに、混血児との疑似家族の話や、子供の成長と旅立ちの物語も加えられていますが……なんというか、いろいろ詰め込みすぎたために、ひどくまとまりの悪いお話になってしまったように思えました。
 前半の、敵対する牧場主から領地を守るために牛を運ぼうとするお話と、束の間の平穏を挟んで後半の、疑似家族の擦れ違いと戦争の悲劇についても、お話としてきれいに流れているとは言い難いような……緊迫感等もあまり感じられませんでしたし。
「オーストラリア」というタイトルですが、その地の歴史や差別の問題がちゃんと描かれているとも言えなくて……ちょっと都合よく描かれているようなのも気になりました。
 もうちょっとテーマを絞って、王道のラブロマンスか子供の成長譚、どちらかのお話にした方がよかったのではないでしょうか。