「クラッシュ」 - 久道進の日記帳

　録画しておいたものを視聴。
　ロサンゼルスを舞台に、アメリカの複雑な差別問題を描いた群像劇。白人刑事が黒人刑事を射殺した事件に関わることになってしまった黒人刑事や、職務に忠実ながらも差別主義者の白人刑事、自動車強盗を繰り返す黒人の二人組や、英語があまり話せないために周りと衝突してしまいがちなペルシャ系の小売店主、等々……差別や偏見、自分自身の思い込みや被害妄想的な感情から、大勢の人々が衝突を繰り返している様子が描かれています。
　多民族国家で、人種の数だけ差別問題が起きてしまうアメリカの複雑さがよくわかります。同じ黒人でも、生活する階層の差からまた衝突が起きてしまったりもして。普段差別をしていながらも、その差別感情を越えて人を救うこともあれば、普段は差別をしていないのに、些細なことから根っこにある差別感情を出してしまう人もいる……差別する加害者と差別される被害者、という単純な区分けはできない、差別問題と人の感情の難しさがわかりますね。
　日本人にとっても、差別は他人事の問題ではありませんし、いろいろ考えさせられます。人種や宗教以外でも差別は起こるものですし、自分の差別感情には意外に気付かなかったりもしますからね……。