久道進の日記帳

文芸同人サークル「Whatnot」活動報告/本、アニメ、映画、ボードゲーム等の感想・レビュー

「流れよわが涙、と警官は言った」フィリップ・K・ディック

 歌手であり、テレビショーの人気司会者でもある男、ジェイスン・タヴァナー。意識を失った状態から目覚めた彼は、誰からもその存在を知られていない男になっていた。旧知の相手からも忘れられ、自分の存在を証明する記録もなくした彼は、警察に追われながらも事態を解決しようとあがき始める。一方、タヴァナーを捕まえ、取り調べようとする警察本部長のバックマンは、疎ましく思っている妹との関係に悩まされていたのだが……。
 SFに何を求めるかで、評価がかなり変わりそうな作品ですね。SF好きの旧友は、読了後「設定と落ちがひどい」と言って、怒っていたような思い出がありますが……。
 ディックの長編作品は割と好きな私ですが、本作はちょっと微妙に思えたりも……もっと悪夢みたいな展開を期待していたのですけど……。

流れよわが涙、と警官は言った (ハヤカワ文庫SF)

流れよわが涙、と警官は言った (ハヤカワ文庫SF)