久道進の日記帳

文芸同人サークル「Whatnot」活動報告/本、アニメ、映画、ボードゲーム等の感想・レビュー

「アニメミライ2013」

 土曜日、同人仲間と新宿で見てきました。文化庁若手アニメーター育成プロジェクト。以下、四作の個別の感想を。
「龍 −RYO−」坂本龍馬の護衛となった少年の物語。アニメーションの表現はしっかりしていたのですが、お話自体は割とよくあるもので、個人的にはあまり楽しめませんでした。歴史の流れを、ちょっとダイジェストっぽい感じでまとめただけのようなところもあって、全体的に描写不足なのも今一つでした。坂本龍馬暗殺というのは皆が知っていることなのですから、そこまでを描くのではなく、むしろそこから先を描いて欲しかったです。
「アルヴ・レズル」未来の日本を舞台にしたSFアクション。ネットワークの事故で意識を失ってしまった妹と再会した兄。だが彼女は、自分の中身は妹ではない、という。その彼女を追ってきた謎の敵から、二人は逃げることになるのだが……ちょっと台詞で説明しすぎのところはありましたが、設定は一番魅力的に思えました。一番続きが気になる作品でもあり、どのような物語が描かれていくのか、テレビシリーズ等で見てみたいとも思えました。
「デスビリヤード」謎のバーで、命をかけたビリヤードの対決をすることになってしまった男と老人の話。短編アニメとして、一番きれいにまとまっていたお話でした。深夜の大人向けアニメの雰囲気。この設定で、連作アニメを作れそうな感じですが……個人的にはこの一話で満足してしまいました。
リトルウィッチアカデミア」魔法ショーで見た魔女に憧れて、魔女の学校に入学したものの、落ちこぼれになってしまっている人間の女の子の物語。四作中、一番完成度の高い作品だと思いました。キャラクターの描写も、お話の構成も、完璧と言っていいほど。魔女もので見たいと思えるシーンを期待通り見せてくれる王道のお話で、明るく爽やかなのも良いですね。この一話だけでも満足できる内容ですが、続きが描かれるのなら是非見たいとも思えました。
 総じて……雰囲気もストーリーもまるで異なる4作を一度に楽しめたのは良かったと思います。同人仲間に誘われるまで、特別意識していなかったプロジェクトなのですが、これからはちょっと応援していきたいと思えました。

アルヴ・レズル―機械仕掛けの妖精たち― 特別版 (講談社BOX)

アルヴ・レズル―機械仕掛けの妖精たち― 特別版 (講談社BOX)

アルヴ・レズル―機械仕掛けの妖精たち― (講談社BOX)

アルヴ・レズル―機械仕掛けの妖精たち― (講談社BOX)

アルヴ・レズル-機械仕掛けの妖精たち- (シリウスKC)

アルヴ・レズル-機械仕掛けの妖精たち- (シリウスKC)

「アルヴ・レズル」には原作やコミック版があるみたいですね。ちょっと読んでみたいです。