久道進の日記帳

文芸同人サークル「Whatnot」活動報告/本、アニメ、映画、ボードゲーム等の感想・レビュー

「風立ちぬ」

 テレビ放映されたものを視聴。宮崎駿さんの長編引退作品。
 飛行機の設計士の夢を叶えた男の物語。自分の飛行機が戦争に利用されることを知りながら、また病身の妻の苦しみを分かっていながら、それでも自分自身の夢を諦めなかったところに、人の業みたいなものを感じさせられました。
 宮崎駿さん自身の心情や、自分の人生を振り返っての思いみたいなものが込められているようにも思えました。自分の夢や目的、人生を捧げると決めた仕事などに思いを注げば注ぐほど、どうしたって犠牲にしてしまうものは出てくるわけで……主人公に自分の人生を重ね合わせている面もあったのではないかと思います。
 この作品で、宮崎駿さんは長編アニメの制作から引退するそうですが……最後の作品に相応しい、重みのある作品になっていたと思います。いろいろと考えさせられますし……自分が歳をとった後、また改めて見直してみたいですね。
 余談……賛否あった主人公の声ですが、個人的には悪くないというか、むしろぴったりだと思ったのですが。朴訥というか、独特の真っ直ぐさと不器用さを持った主人公の性格がよく表れていたので。