テレビ放映されたものを視聴。
正気と狂気の狭間で揺れ動くバレリーナの姿を描いた作品。
母親との歪な関係、大役を得たことの喜びとプレッシャー、元看板バレリーナへの憧れと役を奪ったことへの後ろめたさ……様々な要因により精神のバランスを崩していく主人公の姿に、見ていてひどく息苦しい思いにさせられました。同時に、物凄い力で物語に引き込まれてもいました。
最後のバレエのシーンは圧巻。自分の精神と引き換えに、誰をも魅了する「完璧」を演じ、そして……悲劇ではあるのですけれど、でもあの瞬間、彼女は幸せだったのだろうなぁとも思わされたりもして……でもそう単純に言ってしまうのも問題があるような気がして……何とも言えない、芸術の業みたいなものまで感じさせられました。
それにしても……怪我のシーンはほんと痛々しい。見た目の華やかさとは裏腹に、バレエはほんとに厳しく、演者の肉体を酷使するものなのだと思わされますね。芸術とかスポーツとか、そういったものでプロとして生きていくには、「好き」という気持ち以上の何か……それこそ「業」みたいなものが無ければ続けられないのだろうなぁ、と思ったりもしました。
結構お気に入りの作品。テレビ放映されたものなので、多分カットされたシーンもあるでしょうし……いずれ改めて、ちゃんと見直してみたいです。
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