久道進の日記帳

文芸同人サークル「Whatnot」活動報告/本、アニメ、映画、ボードゲーム等の感想・レビュー

「ザ・ドア 交差する世界」

 テレビ放映されたものを視聴。

 自分の浮気の最中に起きた事故で、娘を失ってしまった主人公。五年後、失意の彼は、奇妙な通路とその先のドアを越えて、事故の直前の、娘がまだ生きている世界へと入り込んでしまうのだが……というお話。

 一応、SFサスペンスということになるのでしょうか。主人公が入り込んだ世界は、過去の世界というよりも、時間が五年間ずれているパラレルワールドみたいな感じでしたね。なので、タイムパラドックス等はテーマになっていません。

 失ったはずの娘と過ごせる喜びと、そのために犯した罪によって不安と苦しみを抱え続ける主人公。その不安定な心情描写が見所。

 隣人の正体等が明らかになってからの展開にもう一工夫あれば、もっとサスペンスとして面白くなったのになぁと思ったりも。本作で描きたかったのはそこではない、ということなのでしょうけれど。

 終盤の展開から、暗く後味の悪いお話になるのかと思っていたのですが……最後は結構きれいな終わり方になっていたように思います。