先日、TOHOシネマズ新宿で、友人たちと見てきました。監督、長井龍雪さん、脚本、岡田麿里さんによる、新作アニメーション映画。
両親を亡くし、共に暮らす、少し歳の離れた姉妹。妹のあおいは、自分のせいで姉のあかねを地元に縛り付けてしまっていると思い込み、そのことに罪悪感を覚えていた。姉を解放するためにも、高校卒業後は東京に行こうと思っているあおいの前に、かつて姉の恋人だった慎之介が、十三年前の姿のままで突然現れる。そして同時に、現在の慎之介もまた、故郷に戻ってくるのだが……というお話。
不器用な少女であるあおいを中心に、妹を見守り続ける姉、挫折感を抱えている昔の姉の恋人、十三年前の気持ちを持ったままの少年……四人の関係と気持ちの変化が、とても丁寧に描かれていました。
姉への思いと、自覚した恋心の狭間で苦しみ……鬱屈した思いを抱えていたあおいの気持ちが解放されるクライマックスの爽快感、音楽と共に描かれる空中の描写の爽やかさが素晴らしかったです。アニメーションならではの表現。
演歌のバックバンドのメンバーとなり、願っていた形ではミュージシャンになれなかった慎之介。彼の気持ちの描き方も、地味ですがとても良かったです。私もいい年のおじさんなので、むしろ彼の方に感情移入できてしまいました。
「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」と「心が叫びたがってるんだ。」……前の二作とは大分雰囲気の違う作品に思えましたが……でも、とても良いアニメーション映画でした。もし次の企画があったら、また是非見たいですね。
小説版もちょっと読んでみたくなりました。