久道進の日記帳

文芸同人サークル「Whatnot」活動報告/諸諸感想・レビュー等

「夏の前日」第5巻

 美大生の青年と年上の女性の恋愛を描いたコミック、最終巻。

 友達の彼女だとわかっていながら、どうしようもなくその子に惹かれてしまう主人公。自分の気持ちを誤魔化しきれなくなった彼は、側にいて支えてくれていた女性との関係を清算しようとする……といった展開。

 友達の彼女であるのだから、その子との仲を進展させるつもりはないけれど、別の子に惹かれている以上、今の女性との関係を続けることはできない……男の不器用で身勝手な誠実さと、そんな男の気持ちを受け止める女の矜持。ままならない恋愛感情による苦しさと切なさが描かれている最終巻でした。自分の気持ちから目をそらしたままダラダラと関係を続けるよりは良いとは思いますが……それでも、関係の清算の仕方は、やっぱり男の自己満足のようにも思えてしまい……何とも複雑な気持ちになってしまいました。女性が読んだらどんな感想を抱くのか、ちょっと聞いてみたくもなりますね。

 それでも終わり方は爽やかであり……間違いもあったけれど、主人公が一つ前に進めたようなのは良かったと思えました。