久道進の日記帳

文芸同人サークル「Whatnot」活動報告/本、アニメ、映画、ボードゲーム等の感想・レビュー

「汚名」

 テレビ放映されたものを視聴。ヒッチコック監督のサスペンス映画。一応ネタバレがありますので、まだ見ていない方はご注意下さい。

 国家反逆罪で有罪となった父を持つ女は、愛し合った男から、父と繋がりがあった富豪のもとへスパイとして潜入するよう依頼される。愛していた男からの冷たい要求に傷つきながらも、女は富豪を誘惑し、情報を集めようとするのだが……といった感じのお話。

 女を愛しているのに素直に気持ちを口にできない男と、男の振る舞いに苦しみながらもけなげに要求に応える女……二人のすれ違いと葛藤が見どころの作品でした。終盤、女の正体が富豪にばれてからの展開では、静かな緊張感がずっと維持されていて……彼女と男がどういった最後を迎えるのか、ドキドキしながら見ていました。

 古いモノクロ映画ですが、最後まで楽しめました。昔の映画は、エンドマークの後に余韻に浸れる感じがあって……エンドロールが流れる現代の映画とはまた違った、独特の魅力があるなぁと改めて思ったりもしました。