暗殺任務のために、辺境の星へとやってきた少女工作員。女子学生という偽りの立場を得た彼女は、同居人となった現地の女子学生と暮らす中で、思いがけず穏やかな時間を過ごすことになる。だが、彼女が暗殺を遂行しようとしたとき、星は大きな危機を迎え、平穏な時間は崩れ去ってしまうのだが……といった感じのお話。
想像していたよりもずっとハードなSF小説でした。甘ったるいところはどこにもなく、少女たちを襲う運命はどこまでも過酷なもので。中盤以降はほんとにずっと苦難が続くといった感じでしたね。
平和が崩れたとき……苛立ちや不安、怒りに覆われた集団が、自分たちに共感を示さない者、異なる者、違う立場の者などに対して、残酷な振る舞いを見せてしまう様子が描かれており……正しさとは何か、正しくあろうとすることとはどういうことかについて、考えさせられるところもありました。
20年近く前のライトノベルですが、古びたところはなく……現代でもしっかり楽しめる作品だったと思います。