久道進の日記帳

文芸同人サークル「Whatnot」活動報告/本、アニメ、映画、ボードゲーム等の感想・レビュー

「ゾンビ」

 テレビ放映されたものを視聴。ジョージ・A・ロメロ監督作品。ゾンビ映画の元祖であり、非常に有名な作品ですが、ちゃんと通して見たのは今回が初めてだったりします。

 突然死者が甦り、ゾンビとなって人々を襲うようになってしまった世界。ゾンビが増えていく街から脱出した四人は、ショッピングセンターに立てこもり、ゾンビを退治しながらそこで生活をしていくのだが……といったお話。

 死者が歩き回り生者を襲う、終末のような世界。そんな破滅の危機に瀕した状況でありながら、ショッピングセンターで欲望を満たそうとするかのように物をかき集め、動きの鈍いゾンビを殺していく人間の姿は、ゾンビ同様におぞましく、また哀れにも見えてしまいました。事態を直視せず、テレビの中で延々と無意味な討論を繰り返す人間の姿も。今の世界情勢を見ると、ただの風刺だとは思えず……何だか怖くなってきてしまったりもしますね。

 古典名作として、確かにいろいろ考えさせられるところのある、面白い作品でした。