コミック版「エヴァンゲリオン」最終巻。
人類補完計画の発動により、人々のA.T.フィールドが消失、すべての人類がLCLの海に溶け、一つとなってしまう。その中心となった碇シンジは、そこで母との約束を思い出すのだが……といった展開。
基本的にはアニメの旧劇場版完結編と同じ展開ですが……コミック版のシンジはアニメ版とはちょっと性格が違い、傷つきやすく臆病でありながら、同時に成長期の少年らしい健やかさも持っているので、アニメ旧劇場版よりもずっと前向きな雰囲気になっていますね。また他の誰かと傷つけあってしまう可能性を受け止めたうえで、それでも一瞬でも心を通わせあうことはできるかもしれないと、その希望を信じて世界を再生させる……その選択も、少年の成長を感じさせるものとなっていました。両親との別れ、エヴァの存在しない再生後の世界で普通の少年として生きるシンジの姿……それらの描き方も優しく、ほんとに少年の成長譚としてきれいな終わり方を迎えられたと思います。
改めて読み直すと……ちょっと感慨深い気持ちになったりもしますね。テレビアニメの本放送時は、私もまだ高校生でしたが……その頃のことを、懐かしく思い出してしまったりもしました。
長い連載、お疲れ様でした。