久道進の日記帳

文芸同人サークル「Whatnot」活動報告/本、アニメ、映画、ボードゲーム等の感想・レビュー

「ダーダオチェン」ソロプレイ

 1900年前後の台湾の商人を題材にしたボードゲーム。ゲームボードの貨物チップの色をそろえて貨物キューブを手に入れ、それを消費することで自身の貨物ボード・海運ボードのプレイヤートークンを進めていき、より高得点を目指そうといった感じのゲームです。ソロプレイもできるということで、遊んでみました。以下の説明・感想は、ソロプレイルールのものとなります。
 場にゲームボードを広げ、ボード上の縦4・横4=計16ヵ所の円形のマスに、貨物チップを1枚ずつ置いていきます。貨物チップは5色あり、表と裏で色が違っており……ゲーム開始時は、表が黒色の4枚はそれぞれ4つの角に、残りは「太陽」の模様が描かれた表面を、縦・横1列に同じ色が3枚以上並ばないよう注意した上で、ランダムに並べていきます。ゲームボード右上のスペースにダイスを1個置き、ラウンド進行を示すラウンドトラックのスタート地点に黒のキューブを1個置きます。自身の前には、自分専用の貨物ボードと海運ボードを置き、9枚のプレイヤートークンを、貨物ボード・海運ボードのトラック、店舗トラック、アヘン失点トラックのスタートマスに1枚ずつ置いていきます。ゲームで使用する貨物キューブをサプライとしてまとめ、ゲーム中取得できる建物カードを1枚ずつゲームボードの側に並べておきます。これで準備完了となります。
 手番は、積込フェーズ、パズルフェーズ、作業フェーズの順番で行っていきます。
 積込フェーズでは、ゲームボードの円形マスの周囲にある倉庫マス、そこに貨物キューブが置かれている場合、そこから2マスを選んでその上にある貨物キューブを取得することができます。ただし、このフェーズで貨物キューブを取得した場合は、次のパズルフェーズは行わず、作業フェーズへと移ることになります。
 パズルフェーズは、ゲームボードの貨物チップの色をそろえることで、貨物キューブを手に入れるためのフェーズであり……2つの段階に分かれています。まず最初の「パズル計画」では、2枚の貨物チップの場所を入れ替える「交換」か、1枚の貨物チップを裏返す「反転」のアクションを、計2回、必ず行います。アクションはそれぞれ1回ずつ行っても、同じアクションを2回行っても構いません。この際、アクションで選んだ貨物チップの上に貨物キューブが置かれていた場合は、その貨物チップの上にある貨物キューブを、自分の貨物ボード・海運ボードと同じ名称の倉庫マスに移してから、アクションを行うことになります。2回のアクションを終えたら、次の「貨物獲得」へと移ります。
「貨物獲得」では、縦か横で同じ色の貨物チップが3枚以上並んでいた場合、その色と同じ色の貨物キューブを取得することができます。貨物キューブを取得した後、貨物キューブ取得に使用した貨物チップは裏返し……裏面に貨物マスがある場合は、そこに貨物マスと同じ色の貨物キューブを1個置きます。ただし、貨物キューブが既に置かれている貨物チップを使用した場合は、その貨物チップは裏返しません。1列の処理が終わったら、同じ色の貨物チップが3枚以上並んでいる他の列の処理を行い……貨物チップを裏返した結果、同じ色の貨物チップが3枚以上並んだ場合も、同じように処理していきます。こうして処理を続け……同じ色の貨物チップが縦か横で3枚以上並んでいる列が無くなったところで、パズルフェーズを終え……作業フェーズへと移ることになります。
 作業フェーズでは、まずアヘンを表す黒の貨物キューブを取得している際は、その個数にあわせて海運ボードのアヘン失点トラックのプレイヤートークンを移動させます。それから、海運ボードの店舗トラックの数値を確認し、パズルフェーズで取得した貨物キューブの個数がその数値を超えていた場合は、越えた分をサプライに返却します。この後、作業フェーズでのアクションを行います。
 作業フェーズで行えるアクションは……貨物キューブを消費して、貨物ボードか海運ボードのトラックのプレイヤートークンを進める。貨物キューブを消費してダイスを振り、その出目によって貨物キューブを取得する。建物カードの効果を使用する……となります。このうち、ダイスの使用と、建物カードの使用は、1回ずつしか行えません。貨物ボード・海運ボードのトラックのプレイヤートークンを進めた場合、移動したマスに描かれたアイコンの効果を利用することができ……それによって店舗トラックを進めて貨物キューブをより多く持っておくことができるようにしたり、貨物キューブや建物カードを取得したり、他のトラックのプレイヤートークンを進めたりすることができます。
 作業フェーズを終了した後、未使用の貨物キューブはサプライに返却し……これで1ラウンド終了となります。
 ゲームは全6ラウンド。ゲーム終了後、貨物ボード・海運ボードのトラックを進んだプレイヤートークンの位置によって決まる点数と、プレイヤートークンが通過したトラックのマスに描かれている洋館のアイコンと発注書のアイコンによって計算される得点等を合計し……アヘン失点トラックのプレイヤートークンが進んでしまっている場合は、それによって計算される点数を得点から引いて、最終得点を出します。そしてその得点によって、得られる「称号」が決まることになります。60点以上が「見習い商人」なので……まずはそれ以上を目指すことになります。
 一種のパズルで貨物を入手し、それを消費することで個人ボードのトークンを進めて点数を伸ばそうという……ちょっと変わったプレイ感のゲームでした。ゲームボード上の貨物チップの位置を交換したり裏返したりして色をそろえて貨物を得て、その後のチップの反転を利用して更に貨物を得ていく……そのパズルによる連鎖が難しくも面白いところ。貨物ボード・海運ボードのトークンを進めていき、マスに描かれた効果を利用することで余分に貨物キューブを取得したり、更にトークンを進められたりもして……その連鎖も上手く決まったときはとても気持ちが良いですね。ただ、効率よくトークンを進め、高得点を目指すのはなかなか難しいゲームでもあり……何度か遊んでみましたが、「見習い商人」になるのもちょっと難しかったりします。少しずつ、点数は上がってきていますが……。
 複数人プレイだと、他のプレイヤーによって貨物チップの色と場所がどんどん変わっていくことにもなり、また特殊効果を持った歴史事件カードも加わるので……ソロプレイよりも更に難しいゲームになりそうに思えました。いつか複数人プレイでも遊んでみたいですね。