久道進の日記帳

文芸同人サークル「Whatnot」活動報告/本、アニメ、映画、ボードゲーム等の感想・レビュー

「トレイル・オブ・クトゥルー・ジャパン ソロアドベンチャー 君に救いを」

 クトゥルフ神話を題材にしたTRPG「トレイル・オブ・クトゥルー」の、日本を舞台にしたサプリメント「トレイル・オブ・クトゥルー・ジャパン」……その体験版ソロアドベンチャーです。「GMウォーロック」第5号掲載。以下、詳しい内容には触れないように気をつけていますが……一応ネタバレになりかねないところもあるので、まだ遊んでいない方はご注意下さい。
 なぜか記憶が定かでない状態で、ある女学生を殺害しなければならないという思いに捕らわれている主人公。人を殺すことに抵抗を覚えながらも、それでも主人公は思いに従い、女学生を見つけるために校舎を捜し回ることになるのだが……といった感じのストーリー。
 オーソドックスなホラーアドベンチャーといった感じのゲームでした。2種類のエンディングがあり、最初普通に遊ぶとノーマルエンドに辿り着く感じで……1回目のプレイを踏まえて、校舎をしっかり探索し、必要な情報をそろえることでトゥルーエンドを迎えられるような作りになっていました。90年代の名作PCゲーム「痕」の髙橋龍也さんが原案ということもあってか、昔のノベルゲームやアドベンチャーゲームを思い出させるようなところもあるように思えました。
 ダイスで判定を行う技能もありますが……探索技能は基本的に、取得していれば判定をしなくても情報を手に入れられるというのが面白いですね。テーブルトークRPGで遊んでいると、プレイヤーはシナリオ攻略の道筋がだいたい見えてきているのに、キャラクターの技能判定に失敗してしまったがために必要な情報を得られず、ゲーム展開が滞ってしまう、なんてこともありがちなので……技能を持っていれば情報を確実に手に入れられるというのは、ゲームを円滑に進めるのによさそうですね。判定の成否に気を取られることが減る分、プレイヤーも推理に集中できるでしょうし。
 クトゥルフ神話TRPGをはじめ、ホラーを題材にしたTRPGもいろいろありますが……今までのゲームとはまた違ったプレイ感を味わわせてくれそうなシステムだと思いました。

 

 

 基本ルールブックとシナリオ集、日本舞台のサプリメントと……今のところ3冊発売されているみたいですね。