久道進の日記帳

文芸同人サークル「Whatnot」活動報告/本、アニメ、映画、ボードゲーム等の感想・レビュー

「ラストオーロラ」ソロプレイ

「最終戦争」後の荒廃した世界。絶望の冬が訪れる前に、最後の希望の船「オーロラ」号に乗ってこの地から脱出すべく、自身のトラックを改造しながら雪の世界を駆けていく……といった感じのゲーム。昔のSFのような世界設定のゲームですね。仮想敵である「オートマ」と対決するソロプレイルールもあるということで、遊んでみました。

 ゲームは基本的に、ボード上に置かれた自分のトラックのコマを進めていき、ゴールとなる「オーロラ」号のコマまで辿り着くことを目指すといったもの。「オーロラ」号のコマは毎ラウンド終了するごとに、1マスずつ遠ざかっていってしまい……6ラウンド終了時点で「オーロラ」号に辿り着けなかった場合は、プレイヤーは最後の希望の船には乗り込めなかった、ということになります。ただし、それでゲームオーバーになるというわけではなく……ゲームの勝敗自体は、トラックのコマ同士の位置によって計算される点数や、ゲーム中に手に入れた名声点、未使用の道具カードによる点数等を合計し、その合計点がもっとも高かったプレイヤーが勝者となります。

 各ラウンドは……自分の生存者カードを使って探索を行い、車輌や仲間となる生存者、必要な物資等を手に入れていく探索フェイズ。生存者カードの休息処理を行う休息フェイズ。物資の燃料を消費して自分のトラックを進めていく行軍フェイズ。場に敵カードが現れている場合に、その敵からの奇襲や敵への砲撃、敵からの応射等の処理を行う交戦フェイズ。ラウンド終了時の処理を行う管理フェイズ……の五つから構成されています。プレイヤーのトラックのコマが「オーロラ」号に辿り着くか、「オーロラ」号のコマが6マス目に置かれている段階で管理フェイズを迎えたところでゲーム終了となります。なので、ゲームは最大6ラウンドということになります。

 ゲームの魅力であり、悩ましくも楽しいところは……探索フェイズで入手できる車列のカード、トラックやトレーラー、装備のカードによって、自分の車列を改造していけるところでしょうか。行軍フェイズの基本となる速力や、繋げることのできるトレーラーの数はトラックの性能によって決まり、敵への砲撃に使う武器も、車列のカードの能力によって決まります。また、自分の生存者のコマや入手した物資のトークンは、必ず自分の車列のカードの積荷マスに配置しなければならず……敵の攻撃等で車列のカードのマスが損傷してしまった場合、配置していた物資トークンが失われたり、車列の能力が使えなくなってしまうこともあります。行軍の速力、敵への対応、物資等の搭載量……どれを優先し、どう車列を改造していくのか、それを考えていくのが悩ましくも楽しかったです。

 ゲームが進むにつれて車列が改造されていき、仲間となる生存者も増えていき……ゲームの展開にあわせて、自然と物語みたいなものが思い浮かんでくるのも楽しかったですね。勝ち負けを競うよりも、世界設定に浸りながら、ちょっとしたロールプレイをしながら遊んだ方が楽しめるゲームのようにも思いました。

 ルールを確認しながら遊んだ1回目のプレイでは、プレイヤーもオートマもどちらも「オーロラ」号には辿り着けず、名声点ではオートマに負けてしまいましたが……でも2回目のプレイでは、プレイヤーとオートマ共に「オーロラ」号に辿り着き、名声点も同点という結果でした。

 拡張カードによる新たな敵や、プレイヤーごとに与えられる役割、それにプレイヤー同士の戦闘ルールもあるみたいなので……いつか友人たちと、それらも使って遊んでみたいですね。