久道進の日記帳

文芸同人サークル「Whatnot」活動報告/本、アニメ、映画、ボードゲーム等の感想・レビュー

『午後のブリッジ 小松左京ショートショート全集5』小松左京

日本沈没』のリメイクが作られたり、その続編の小説が刊行されたりと、最近話題にのぼることが多い小松左京氏のショートショート集。長く積読だったのですが、先日読み終わりました。
 星新一氏のショートショートとは違って、積極的に時事ネタや下ネタを利用しているのが小松左京氏の特徴でしょうか。当時の社会を風刺した作品がとても多く、そのほとんどは私が産まれる前に発表されたものなんですが……描き方には多少古臭さがあるけど、ネタそのものは現代でも充分通じるなぁと思ったりしました。社会問題って、今も昔も大した変わってないみたいですね。

 小松左京氏のショートショートで一番有名なのは、都市伝説にもなっている「牛の首」だと思いますが、それは全集の2巻に収録されてます。その裏話は、5巻の巻末インタビューで少し語られています。私は2巻を読んで、これが「牛の首」の正体かと思ったのですが、5巻巻末インタビューを読んで、また煙に巻かれてしまった気分で……本当の「牛の首」の話って、いったいどんなものなんでしょう? というか、それは本当に存在するのでしょうか? 今、日経新聞朝刊の「私の履歴書」は小松左京氏が書かれているのですが、そこで「牛の首」について語ってくれると嬉しいんですけどね。難しいかなぁ……。

役に立つハエ―小松左京ショートショート全集〈3〉 (ハルキ文庫)

役に立つハエ―小松左京ショートショート全集〈3〉 (ハルキ文庫)

午後のブリッジ―小松左京ショートショート全集〈5〉 (ハルキ文庫)

午後のブリッジ―小松左京ショートショート全集〈5〉 (ハルキ文庫)