久道進の日記帳

文芸同人サークル「Whatnot」活動報告/本、アニメ、映画、ボードゲーム等の感想・レビュー

「Divee! ダイビィ!」ソロプレイ

 ダイビングをイメージさせるイラストがきれいな、ダイスゲーム。ソロプレイもできるということで、遊んでみました。

 ゲームは全6ラウンド。手番では5個のダイスを振り、その出目で、6枚ずつ配られたカードに書かれている役のどれかを作ることを目指します。出目で役を作ることができたら、そのカードを裏返して得点化します。ダイスは2回振りなおすことができ、1投目で役を作ることができた場合はボーナス点をもらうことができます。また、役を作ることができなかった場合は、カードを1枚選んで破棄しなければなりません。

 6ラウンド終了時、得点化できたカードとボーナス点を合計し、もっとも高得点だったプレイヤーが勝者となります。

 非常にシンプルなダイスゲームですね。ダイスゲームだけに、運の要素がかなり強めな感じ。狙った役を作ることはなかなか難しく……それだけに、思いがけず高得点の役を1投目で作れたときは、ほんと嬉しくなります。

 何度か遊び、今のところ最高点は29点。「達人ダイバー」になれました。そのときはほんとにダイス運が良かったので……でも、この上を目指すのはかなり難しそうですね。

 ソロプレイはちょっと物足りなく思えてしまうところもあり……やっぱり、他のプレイヤーとダイスの出目に一喜一憂しながら、皆でワイワイ騒いで遊ぶのが良いのだろうなと思いました。

 

 

「少女禁区」

 第17回日本ホラー小説大賞短編賞を受賞した表題作と、もう一本短編を収録した短編小説集。

 受賞作「少女禁区」は、呪術師たちの生きる村で、親殺しの疑いのある強力な呪術師の少女と、彼女に玩具のように弄ばれることになった少年の物語。

 もう一本の収録作「chocolate blood,biscuit hearts.」は、大企業を支配する父親、彼の死後もその呪縛から逃れられないでいる姉弟の物語。

 どちらも、幼い少年少女の、苦しくそして切ないまでの思いが印象的な作品でした。

 最後の一文による、お話の締め方もとても良かったです。

 

 

「ライトノベル」第4巻

 なるしまゆりさんのサスペンスコミック、最終巻。

 拉致されていた左々暗龍は警察に保護され、首謀者である少女、橘愛友里は捕まり、一区切りを迎えたとも言える事件。龍は愛友里との面談を求めながら、彼女について、事件について、そして自身がフィクションを書く理由について考え続けるのだが……といった感じの展開。

 不可思議なサスペンスを通して、フィクションの娯楽物語を作る意味や、それらを享受し、または消費することの是非について考えていこうとする作品だったように思います。

 創作物による悪影響の有無、創作物を規制することの是非。それらの議論は続き、人それぞれ価値観が異なる以上、結論が出ることはなく、ずっと続いていく問題なのでしょう。私は基本的に表現規制には反対している立場ではありますが……その表現について、ただ楽しむだけでなく、時にはちゃんと考えることも必要なのだろうと思いもしました。

 

 

「ライリウム」ソロプレイ

 海底図書館とそこに住む少女、という背景設定を持った紙ペンゲーム。ソロプレイもできるということで、遊んでみました。

 ゲームは、本を本棚に収める「所蔵編」と、収めた本を読む「読書編」の二部構成。

「所蔵編」では、蔵書カードと4面ダイスを使って、本棚に収める本(ブロック)の形と、本の種類を決めます。本は図書館シート上部の本棚に描き込み、本の種類はその隣の蔵書管理表に丸をつけていきます。本棚に本を描き込んでいった際、一マスだけ空けられたマスには「魚」を描き込むことができ、「所蔵編」終了時、「魚」が一匹だけ存在する行・列ごとに点数がもらえます。また、二マス以上の空きマスには「泡」を描き込まなければならず、「泡」が描かれたマスはマイナス点となってしまいます。

 蔵書カードの山札が二回尽きたところで、前半の「所蔵編」は終了。「魚」と「泡」による点数を計算した後、後半の「読書編」に移ります。

「読書編」では、6面ダイスを使い、その出目に従って図書館シート下部の本を塗り潰す等していきます。この際、本の種類を一つ選ぶのですが、本によって守らなければいけないルールと得られる点数が異なっています。選択した本を塗り潰す等したら、蔵書管理表の選んだ本の丸も塗り潰します。また、ルールによってどの本も選ぶことができなかった場合も、蔵書管理表の丸を一つ選んで塗り潰す必要があります。蔵書管理表の丸が塗り潰され、本の選択ができなくなったところで後半の「読書編」も終了。本ごとに点数を計算し、それを前半の「魚」と「泡」による点数に加えて、最終得点を出すことになります。その得点がより高かったプレイヤーが勝者となります。

 パズル+ダイスゲームといった感じの紙ペンゲーム。

 前半の「所蔵編」では、得点となる「魚」を描き込むために、一マスだけ空きマスができるように本を描き込んでいかなければならないのですが……各行・各列に描かれる「魚」が一匹だけになるように、加えて「泡」が描き込まれないよう二マス以上繋がった空きマスは作らないようにするというのが、なかなか難しい。ゲームが進むにつれて本棚のスペースも減っていくので、思うように本を描き込むことができず、最後の方はパスせざるを得ないこともありました。また、後半の「読書編」を考えて、本の種類も選ぶ必要があり……描き込む本の形と本の種類、どちらを優先するかで悩まされることが多々ありました。

 後半の「読書編」は割とシンプルなダイスゲーム。前半で本の種類をしっかりそろえておかないと、後半の「読書編」で点数を得るのがとても難しくなってしまい……ただ蔵書管理表の丸が塗り潰されるだけで、まるで点数が得られないときも結構ありました。後半は運の要素も強い感じですね。

 総じて……全体的にルールは簡単で、遊びやすい紙ペンゲームでした。前半の程よく悩まされるパズルと、後半のダイスの出目に一喜一憂するダイスゲーム、二種類のゲームが一度に遊べるところがユニークで面白い。海底図書館とそこに収められている本という設定によって、前半と後半、二つのゲームがうまく繋がり、可愛くお洒落な雰囲気が保たれているところも良かったです。

 一ゲームが短めなので、繰り返し遊べるところも良いところ。一ゲーム終わると、またもう一回と、繰り返し遊びたくなりますね。

 何度か挑戦し、今のところ20点が最高点。もう少し上の点数を目指したいところです。

 

「百姓貴族」

 漫画家の荒川弘さんのエッセイコミックのアニメ化作品。ショートアニメ。

 北海道の農業・酪農の家に生まれた荒川弘さんの思い出をもとに、農業・酪農の仕事に関する様々なお話がユーモアたっぷりに描かれています。

 笑える感じに描かれていますが……実際のお仕事は、やっぱり大変なんだろうなぁと思わされたりもしますね。

 

 

「悪役令嬢転生おじさん」第3巻

 ゲーム世界の悪役令嬢に転生してしまった屯田林憲三郎(52歳)。自身のゲーム世界での役割を果たし、ヒロインと攻略キャラクターたちの仲を進展させようとするものの、親目線でキャラクターたちと接してしまった結果、どんどん自分に対しての好感度が上がってしまうことになってしまい……といった感じのお話。

 ネット小説で流行の悪役令嬢モノですが……主人公がゲーム内での自身の役割を果たそうと考えていたり、現実世界にいる主人公の家族がゲームを通してお話に関わってきたりと、他の作品ではあまり見られない要素があるのが、独特で面白いですね。

 主人公が性格の良いおじさんで、登場キャラクターたちも皆いい人なので、安心してやり取りを見ていられるのも良い感じです。
 楽しい作品です。

 

 

「ニムト」”バッファローを倒せ”ソロプレイ

「ニムト」30周年記念版に同梱されている追加ルール。プレイヤー全員で協力し、NPCであるバッファローと対決する、といった感じのゲームです。ソロプレイもできるということなので、遊んでみました。

 協力ゲームとなる”バッファローを倒せ”のルールは、ほぼ基本ルールと同じもの。

 手札はプレイヤー、NPCバッファロー、皆10枚ずつ。残ったカードから4枚のカードを引いて場に縦に並べて、四つの列を作れるようにします。ゲームが始まったら、プレイヤーは手札から1枚のカード選んで場に出し、バッファローは自身の山札の一番上をめくって場に出します。場に新しく出されたカードの、数字の小さいカードから順番に基本ルールの処理……各列の数字が大きい順になるよう、各列の最後のカードに最も近い数字のカードを配置して並べる。各列の最後のカードよりも小さい数字のカードの場合、どれか一列を選んで引き取り、そのカードを新しい列の始めとする。各列に置けるカードは最大5枚まで、6枚目が置かれた場合はその列の5枚のカードを引き取らなければならない……を行います。

 10枚の手札が無くなったところでゲーム終了。カードに描かれている牛のマークを数えて合計し、プレイヤー側とNPCとで比べて、プレイヤー側の方が牛のマークの合計が少なければ、プレイヤー側の勝利。NPCの方が合計数が少なければ、NPCの勝ちとなります。

 基本ルールと違っているところは、複数人で遊ぶ場合は、特殊な効果を持つスペシャルカードをプレイヤーは使用できるということ。列を選んで新しいカードをそこに配置できなくしたり、処理するカードの順番を変えたりする等の特殊効果があります。

 ソロプレイで遊んでみて……ソロプレイではカードの総枚数が少ないので、簡単かなと思ったのですが……意外に難しかったです。もう置けないだろうと思っていた列がいつまでも残ったかと思ったら、安全だと思っていた列がダメになってカードを引き取らされたり。ソロプレイではスペシャルカードが使えず、また最後のマーク計算時にプレイヤーのマイナス点を倍にしなければいけなかったりもするので、NPCに勝つのも容易ではありませんでした。何度か遊び、勝率は半々といったところです。

 カード運に左右されるところもありますが……そのままならないところが楽しい感じでした。短時間で1プレイが終わるので、繰り返し遊べるところも良いところだと思います。

「ニムト」は先日の友人たちとのゲーム会で遊んだばかりですが、この協力ルールでもまた遊んでみたいですね。