「ラブライブ!サンシャイン!!」の公式コミックアンソロジー、第3巻。
2018年1月発行のアンソロなので……今読むと、なんか懐かしい気持ちになったりもしますね。
気楽に読める楽しいアンソロでした。
テレビ放映されたものを視聴。非常に有名な作品で、シリーズが何本も撮られていますが……ちゃんと見るのは今回が初めてだったりします。
本家の親分が他界したことで、組織内部の対立が表面化し、分裂してしまう組。抗争が激しくなっていく中、極道の妻となった女たちは、それぞれの意地を貫いていくのだが……といった感じのお話。
暴力が当たり前に存在し、簡単に人の命が失われていく裏社会。その世界に身を置くことになった女たちの生き様が描かれているお話であり……穏やかな生をまっとうすることなどできない、裏社会の破滅的な様子が語られている物語でもあるように思えました。
死がいつも隣にある世界の物語。
イブキの代わりに自分が人王になることを決意するカルノと、人の魂すら造り出せてしまう人王の力に苦悩を深めるイブキ。分かれた二人、それぞれが歩んでいく先にあるものは……といった感じの展開。
決めた道を突き進んでいくカルノと、人との再会と対話によって自分の内面と向き合うイブキの姿が描かれていた第17巻でした。家族や支えてくれていた人たち、多くの人を失っていく過程を読者も見てきたからこそ、イブキの苦悩がより理解できますね。なくした人を造り出せる力、人の分を越えた禁忌への誘惑……でも、自分の力で造り出したその人は、果たして本当に「その人」と呼べるものなのか……。
ギャグやコミカルな描写もほとんど無く……心にずしりとくる巻でした。
テレビ放映されたものを視聴。
京都アニメーション制作。「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」の劇場版にして、完結編とも言えるお話。
手紙の代筆を行う「自動手記人形サービス」のドールとして、様々な人々と関わり、その仕事ぶりを評価されていくヴァイオレット。そんな彼女が特別な思いを寄せる少佐の行方に関する手がかりが、ある日見つかるのだが……といった感じの展開。
戦争で戻らぬ人を思う悲しさや、病気で親しい人を失う苦しみ、時代の流れによって世界の様子が否応も無く変わってしまうことの切なさ……そういったものが、この劇場版ではテレビシリーズよりもより強く描かれているように思えました。そんな悲しみに満ちた世界で、素直な気持ちを誰かに伝えることはとても難しく……だからこそ気持ちを伝えようとする行為はとても大切なのだと思わせてくれるようでした。
今回の劇場版を見て……ヴァイオレットの手紙の代筆は、ほんとに依頼者の気持ちに寄り添おうとする行いなのだなぁと改めて思ったりもしました。ヴァイオレット自身は、自分は「愛してる」を含めて人の気持ちをちゃんと理解することができていない人間だと思っていて……だからこそ、手紙の代筆をする際、決して相手の気持ちを否定したり自分の考えを押し付けたりすることなく、相手の思いをちゃんと聞き取り、理解しようとする。そんなヴァイオレットだから、依頼者も「この子は自分の気持ちに耳を傾けてくれる」と思うようになり、自身の素直な気持ちを託そうと思えるのでしょうね。
美しい映像も印象的な、とても良い作品だったと思います。テレビ放送ではカットされたシーンも多々あるようなので、いつかちゃんと完全な形で見てみたいですね。
テレビシリーズや外伝の方も、改めて見直したくなりますね。
睡眠中の脳の働きと夢に関しての研究解説本。
「夢」を見る脳の活動について説明すると同時に……夢判断や精神分析等で、過度に神秘的なものとして「夢」が扱われがちな風潮に対して、批判的に語られています。
つじつまの合わない奇妙な夢、でも夢の中の自分はその奇妙さを意識できないというおかしさ……そんな夢の不思議も、脳の仕組みと睡眠中の働きによって説明されると、なるほどと納得できますね。変な夢を見た日の朝、少し不安に思ったりすることもありましたが、本書を読んでから、おかしな夢も素直に受け止められるようになった気もします。
新生徒会長が決めた校則により、パンツの着用が禁止されてしまった学園を舞台にしたコメディ。ヒロインたちの恋愛が進展していく中、文化祭が開催され、だがそこでのミスコンで大きな波乱が起きて……といった感じの展開。
異常な設定の学園で、変に理性的だけどやっぱりどこかとぼけているキャラクターたちのやり取りがユニークで面白い。大真面目にバカ話をやっている感じで、設定の割にあまり下品になっていないのがすごいなぁと、改めて思ったりもしました。
次巻、最終巻。