久道進の日記帳

文芸同人サークル「Whatnot」活動報告/本、アニメ、映画、ボードゲーム等の感想・レビュー

「それでもボクはやってない」

 録画しておいたものを改めて視聴。テレビで放映されたときは、途中から見たので。
 日本の裁判の問題点やおかしさがわかりやすくまとめられていて、非常に勉強になる映画でした。テンポよく話が進んでいき、色々な情報が無理なく頭に入ってきます。また、痴漢冤罪の怖さもよく伝わってきますし、理不尽とも言える現実と戦っている主人公にも共感できるので、純粋にお話を楽しむこともできる作りになっていると思いました。雰囲気作りがすごく上手いです。出演俳優の方々もすごい良い演技してますし。
 これはすごいお薦めできる映画というか、皆一度は見ておくべき作品だとも思いました。

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 余談ですが、こういった作品を見ると、昔知人が巻き込まれた事件はまだ幸運なケースだったんだと、そう思ってしまいます。この映画のような理不尽な扱いを受けることはなかったのですから。それからもう十年近くたっていますが、未だ問題が改善されたとは言えない現実に、憂鬱になってしまいます。
 自分がもし疑われてしまったら……正直、戦う気力も体力も無いので、「もう自分が犯人でいいです」と言ってしまいそうな気がします。周りへの迷惑とか、その後のこととか考えると、とても戦えないです。それに、もし運良く裁判で勝てても、周りからは「本当はやったんだろ」なんて思われそうですしね。男性は皆性犯罪者予備軍、そういった偏見の多い世界ですから。