久道進の日記帳

文芸同人サークル「Whatnot」活動報告/本、アニメ、映画、ボードゲーム等の感想・レビュー

「少年怪奇劇場 上巻」

 なるしまゆりさんの描く現代の怪談。「少年怪奇シリーズ」として出版されていたものの、加筆修正新装版です。古い方を持っているのですが、書き下ろし目当てに買ってしまいました。
 収録作は、「隣の町で死んだひと」「怪談六話」「終電時刻」「番町サカナ屋敷」、それと書き下ろしの「終電時刻After」。
 どの作品も名作。なるしまゆりさんの短編の上手さが堪能できます。怪奇現象をきっかけにしての、少年少女の気持ちの変化や心情の描写が素晴らしい。「隣の町で死んだひと」と「怪談六話」は特にお気に入り。主役二人の関係が非常に好みです。
 恐怖をテーマにしたホラーではないので、ホラーが苦手な人にもお勧めですね。
 ただ、旧版を持っている人には微妙かも。敢えて買いなおすほどの加筆修正ではなかったので。「終電時刻After」も、「終電時刻」の後日談としてのショートエピソードですし。そこは少し残念でした。
 でも下巻も買いますけどね。

 下巻発売、すぐですね。