久道進の日記帳

文芸同人サークル「Whatnot」活動報告/本、アニメ、映画、ボードゲーム等の感想・レビュー

「母べえ」

 録画しておいたものを視聴。
 第二次大戦直前の日本、治安維持法で投獄された「父べえ」の帰りを待つ家族を描いた話。
 第二次大戦の頃の日本を舞台にすると、反戦思想が全面に出てきてしまうことが多いのですが、本作は家族の物語とすることで、思想色をうまく薄めているように思えます。過酷な時代を、それでも明るさを失わず生きる家族と、それを支える人々。残酷なシーン等はなく、劇的な展開もない。静かに描かれていくのに、不思議と引き込まれる映画でした。
 ただ終盤は駆け足すぎというか、蛇足のような気も。戦後のことは描かなくてもよかったのでは? テーマとして、最後の「母べえ」の台詞は必要だったのかもしれませんが……。

母べえ 豪華版 〔3枚組 初回限定生産〕 [DVD]

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母べえ 通常版 [DVD]

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