久道進の日記帳

文芸同人サークル「Whatnot」活動報告/本、アニメ、映画、ボードゲーム等の感想・レビュー

「AIR 劇場版」

 DVDを買ってからいったい何年積んでいたのだろうと、自分でも呆れてしまいますが……ようやく劇場版を見ました。あまりいい評価を聞かなかったので、不安も多かったですが……見てみると、きちんと一本の映画作品としてまとまっていて、予想以上に楽しめました。「AIR」を原作にした劇場版アニメとしては、決して出来は悪くないと思います。もともと原作を90分程度の映画にまとめるのは無理な以上、他のヒロインの出番をなくすのも、お話を大きく変えるのも当然だと思いますし。
 往人と観鈴の出会いと別れ、ラブストーリーを中心に、観鈴と晴子の親子の問題や、「翼人」の言い伝えを上手く絡めてお話を作っていて、見ていてとてもわかりやすい。「AIR」の知識がなくても、それなりに楽しめる作りにもなっていると思います。
 観鈴の描写も、原作ゲームやテレビ版よりも大人っぽいというか、年相応に近づいた感じで、受け入れられやすくなっていた印象。普通に可愛い子になっていたと思います。
 田舎町の描写、お祭の雰囲気も丁寧。この辺は原作ゲームよりもむしろ上手く作られていたと思います。原作ゲームはギャルゲなので、どうしても主人公とヒロインの閉じた世界になってしまっているところもあったので。
 全体の演出に古臭く思えてしまうところがあることを除けば、一本のアニメ映画として楽しめました。テレビ版とどちらが好みかと聞かれたら、やっぱりテレビアニメ版と答えてしまいますけれどね。まぁそれは、原作ファンなので。
 劇場版の「CLANNAD」も見てみたくなりました。

劇場版 AIR (通常版) [DVD]

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