久道進の日記帳

文芸同人サークル「Whatnot」活動報告/本、アニメ、映画、ボードゲーム等の感想・レビュー

「戦場のピアニスト」

 録画しておいたものを視聴。
 第二次世界大戦時のナチスによるホロコーストを生き延びたピアニストの話。実際の主人公の体験記をもとに作られた映画だそうです。
 戦時下の差別のひどさ、残酷さ。人間が人間扱いされず、本当に簡単に殺されてしまうホロコーストの恐ろしさは目を逸らしたくなるほど。抵抗する気力も失い、ただ静かに殺されるのを待つ人々の姿。気まぐれに、笑いながら人を殺してくナチスドイツ。抑えた演出で描かれ、劇的ではなく当たり前のように殺されていく様子に、却って恐ろしさを感じさせられます。ナチスから逃げ、隠れて生き延びようとする主人公が、徐々に余裕をなくし、飢えに苦しんでいく様子も見ていて苦しくなってきます。
 良い映画ですが、見ていて疲れる映画でもありますね。主人公を助けたドイツ軍大尉のその後のこともあって、最後の演奏シーンも素直に感動はできませんでした。

戦場のピアニスト [DVD]

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