久道進の日記帳

文芸同人サークル「Whatnot」活動報告/本、アニメ、映画、ボードゲーム等の感想・レビュー

「さよならの朝に約束の花をかざろう」

 2月24日、友人たちと立川で見てきました。岡田麿里さん監督・脚本のアニメーション映画。
 長命種の少女マキアと、彼女に拾われ育てられることになった男の子エリアル。母子となった二人を中心に描かれる物語。
 人よりもずっと長く生きるとはいえ、その内面は脆く儚い普通の少女でしかないマキア。そんな彼女が、変わっていく世界の中で、懸命に男の子の母であろうとする姿が胸を打ちます。また、成長していくに従って母への接し方が変わっていくエリアルの振る舞いも、元・男の子だった自分としては、もどかしくも「わかるなぁ……」と思ってしまうところもあったりして……二人の行く末に、最後まで目が離せませんでした。
 国にさらわれ、利用されてしまうもう一人の長命種の少女レイリアの苦しみもしっかりと描かれており……彼女が苦しみから解放されることも、願わずにはいられませんでした。レイリア視点の外伝とか作られたら、見てみたいですね。
 完成度の非常に高いアニメーション映画で、見所の多い作品だったと思います。
 女性が見たら、どんな感想を抱くのかもちょっと気になりますね。
 大勢の人に見てもらいたいと思える作品でした。