「治安が悪化してる」「少年犯罪が増えている、凶悪化している」といった言説に、真っ向から反論している本です。本書を読むと、いかにマスコミが無責任な報道をしているか、いかに根拠なく若者が異常者扱いされているかがよく分かります。
それが年配者の愚痴で終わるのなら、まだ害はないのですが……無責任な治安悪化神話が語られた結果、無意味な治安対策が実施されるばかりか、社会的弱者が不審者として排斥され、刑務所がなにかの福祉施設のようになってしまっているのが現状です。
今の治安対策や若者批判が本当に正しいのか、多くの人に一度読んで、考えもらいたいと思いました。
- 作者: 浜井浩一,芹沢一也
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2006/12/13
- メディア: 新書
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……上で偉そうに書いてしまいましたが、本書を読んで、自分も人のこと言えないなぁとも思ったりしました。よく調べもしないで、偏見で語ってしまうことは、自分もやってしまっていたようで。無期刑受刑者も簡単に仮釈放で出てくる、なんていうのはその典型。実際は違うようです。
ものを調べるときは、白書などの統計データにも目を通さないとなぁと、反省しました。