「スラムオンライン」桜坂洋

　オンライン対戦格闘ゲームを題材にした青春小説。主な舞台となっているオンラインゲーム〈バーサス・タウン〉の雰囲気は、「バーチャファイター」を思い出させるものがありますね。
　自己概念が乏しくて、現実でもオンラインゲーム上でも、世界との間に一枚膜を張って過ごしているようなところのある主人公が、現実とゲーム上で、それぞれの都市伝説を探しながら、世界との関わり方を見出していくお話……なんでしょうか？　うまく短くまとめられませんでしたが。ちゃんと内容を消化できていないのか、ぴんとこないところがあります。
　本書が発行された頃でしたっけ、リアル・フィクションという言葉も出てきたのは。リアル・フィクションというものについても、自分の中では整理できていないところがあって……もう少し、色々考えてみたいです。

スラムオンライン (ハヤカワ文庫 JA (800))