第1回日本ホラー小説大賞佳作作品。
名誉欲の強い天才科学者の発明品が暴走し、恐怖の存在となってしまうというのは、娯楽SFホラーとしてはポピュラーな題材。それだけに、先の展開が予想できてしまって、少し物足りないところはありました。読みやすくて、ある意味安心して楽しめる本ではあるのですが。
周囲の金属イオンを集めて成長する「金属植物」とか、それを応用した代用神経などのアイディアは面白かったです。でも、そのアイディアを生かしきれていないのはもったいない気がします。暴走した発明品の最後は、やっぱりその発明の特性を生かしたものであった方が、その末路が印象的になると思うのですが。割と力押しの最後だった気がするので、そこは残念でした。
海外のホラー映画が好きな人には良いのかな。息抜きで気軽に楽しめる娯楽ホラーではあります。
- 作者: カシュウタツミ
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 1994/04
- メディア: 文庫
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