久道進の日記帳

文芸同人サークル「Whatnot」活動報告/本、アニメ、映画、ボードゲーム等の感想・レビュー

「セラフィック・フェザー」11巻

 完結。もう続きは出ないのかなと思っていたので、ちゃんと完結してくれただけでも嬉しいですね。「リスティス」もなんとか……無理か……。
 最後は派手な超能力バトル。アペプとハリハの戦いは、前巻同様ちょっと大味です。
 Aの最後はキャラクターに見合った死に様でしたが、もう一度ぐらいマザクと戦って欲しかった気もします。マザク(アリス)の描写には白旗。あざといんですが、やっぱり気に入ってしまう……。
 スナオの出番というか、見せ場は少なめ。それでも最後は主役としてけじめをつけた感じですね。ケイと別れたその後、エンディングで「今の彼女に逢いに行く」と言って、気持ちを新たに宇宙を目指すところは、物語のテーマもきちんとまとめられた形で良かったです。完結編2冊の活躍だけ見ると、アペプの方が目立っていますが、それでもこのお話の主人公はスナオだったのだと思えますね。個人的に、4号と一緒に宇宙に出たスナオが叫ぶシーンなんかも好きでした。
 最後、ちゃんとスナオと分かれて旅立つところでは、ケイもヒロインとして役目を果たしたという感じでした。二人の関係をちゃんと消化しましたしね。
 宇宙とか、人類の進化とか、その辺の設定は真面目なSFの印象。少し語り足りないところもある気がしますが、娯楽作ではこれぐらいのバランスが良いのでしょう。
 エピローグがプロローグとちゃんと対応している点も良かったですね。紆余曲折ありましたが、ほんとに最後はきちんとまとめられたと思います。完結、お疲れ様でした。