久道進の日記帳

文芸同人サークル「Whatnot」活動報告/本、アニメ、映画、ボードゲーム等の感想・レビュー

「遙かなる虹の大地 架橋技師伝」葦原青

 第5回C★NOVELS大賞受賞作。橋を架ける魔術を使う架橋技師(ポンティフェックス)たちの物語。橋の魅力にとりつかれている主人公フレイは、師匠の汚名をはらすために、敢えて戦争に利用される道を進んでいくのだが……。
 一冊で手堅くまとまっていますが、若干展開が駆け足気味の気も。戦争の展開とか、あまり盛り上がりませんでしたし。
 師匠の汚名を晴らそうとするあまり周囲に反発してしまうフレイ、そのフレイを守ろうとする騎士レオ、フレイのパートナーを務める架橋技師アリューシャ。主役の三人に対して、他のキャラの書き込みが今一つの気もしました。フレイのライバル的キャラであるエーレンフリートや、そのエーレンフリートのパートナーで天然気味の女性架橋技師フィネは、魅力的なキャラになりそうなだけに残念。
 主役が技師ということで、ちょっと地味めでもあります。あともう一つ盛り上がるところが物語にあれば、と思ってしまいました。

遙かなる虹の大地―架橋技師伝 (C・NOVELSファンタジア)

遙かなる虹の大地―架橋技師伝 (C・NOVELSファンタジア)