久道進の日記帳

文芸同人サークル「Whatnot」活動報告/本、アニメ、映画、ボードゲーム等の感想・レビュー

「ラースと、その彼女」

 録画しておいたものを視聴。
 人と触れ合うことに怯え、同じ敷地にいながら兄夫婦とは別の建物で一人暮らす青年ラース。ある日、彼が彼女として兄夫婦に紹介したのは、等身大の人形だった。ラースの行動に戸惑いながらも、周囲の人々は彼を受け入れ、人形をラースの彼女として扱うのだが……。
 一人の青年の魂の再生を描いた、現代ファンタジーですね。人と接することに臆病になってしまっていたラースが、人形の彼女との付き合いを通じて、人と触れ合う力を取り戻していく様子が、静かに温かく描かれています。大勢の人と関わっていくようになり、時には喧嘩し、異性を気にかけ、嫉妬したりもする。人との付き合い方、感情の表し方を学び直していく……ちゃんと大人になっていくラースを、映画を見ているこちらもやがて見守るような気持ちになってきます。
 ちょっと描かれ方が理想的すぎる気もしますが、良いお話でした。