久道進の日記帳

文芸同人サークル「Whatnot」活動報告/本、アニメ、映画、ボードゲーム等の感想・レビュー

「Another」4巻

 綾辻行人さん原作のホラーミステリー、コミック版完結。
 災厄を終わらせる方法、それは紛れ込んだ死者を死に還すこと。それを知った勅使河原は、幼馴染である風見を死者と疑ってしまい、赤沢は鳴を襲おうとする。死への恐怖に追い詰められ、おかしくなり始めたクラスメートたちの姿を見て、鳴は死者を死に還すことを決意するのだが……。
 アニメ版では、合宿に参加したクラスメートたちが恐怖から凶行に走り、パニックが起きてしまう展開でしたが……コミック版の方は出番のあるキャラを絞っていたこともあって、アニメよりも静かな展開になっていましたね。惨劇のひどさよりも、追い詰められ苦しんでいたキャラクターの心情の方が丁寧に描かれていたようにも思えました。
 クラスメートの描写や物語全体の展開はアニメ版の方が好みでしたが、お話のまとめ方はコミック版の方が好きですね。アニメ版では死んでいたキャラクターも何人か生き残り、後日苦しみから解放された描写もあって、後味も良いものになっていましたし。災厄が終わり、日常が戻ってきたことがきちんと描かれているようで、なんというかほっとする終わり方でした。
 もっとも、災厄を起こす現象自体は解決されていないことを思わせる描写も最後にありましたけれどね。終わったのは、あくまで今年の災厄だけ……続編の噂もありますけれど、確かに別の年を舞台にしたお話は作れそうですね。

 原作小説も買ってあるので、近いうち読み始めようと思います。実写映画も見てみたいのですけど……まだやってますかね?