私ではなく、父が禁煙を始めました。ある病院の禁煙外来を受診して、ニコチンパッチというのも貰ってきたようです。ここ数年ですっかり嫌煙社会になってしまいましたし、タバコの値段も上がりましたし、まぁ禁煙は望ましいことなんでしょう。でも私としては、そんなに無理して禁煙する必要はないのに、と思ったりします。
というか、今の嫌煙社会にはどうにも居心地の悪いものを感じていて。善意の強制にはなにか恐ろしいものも感じますし。私自身はタバコを吸わないので、タバコを無くす方向に社会が動いても特に被害は被りません。ですが、一部の人が正しいと思うことばかりが取り上げられ、それを推し進めるためなら一部の人が傷ついても構わない、とする風潮はやはりおかしいと思うわけです。禁煙ファシズムなんて言葉もあるようですが、「正しいことをしている人」たちの暴力性については、一度皆考えてみた方がいいと思います。
筒井康隆氏が「最後の喫煙者」という短編を発表したのは何年前のことでしょうね? 他にも大勢の作家が、行き過ぎた倫理道徳観念の滑稽さやおぞましさ、醜さを作品で描き、警告してきたわけですが……届いて欲しい人たちには、なにも届かなかったようです。
- 作者: 筒井康隆
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2002/10/30
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