久道進の日記帳

文芸同人サークル「Whatnot」活動報告/本、アニメ、映画、ボードゲーム等の感想・レビュー

「氷菓」最終話

 米澤穂信さん原作のミステリーアニメ、一先ず完結。
 第1話はAパートとBパートで違う謎を扱っていたこともあってか、ちょっと描写不足のところがあったように思えましたが……2話以降は各話しっかり丁寧に描かれていて、毎回とても良いミステリーアニメになっていたと思います。視聴者への情報の与え方、伏線の張り方、奉太郎の推理の流れと解答の語り方……必要なことが過不足なく描かれていて、ストレスを感じることなく楽しむことができました。
 日常の謎や小事件、それらとともに描かれる青春時代の痛みや擦れ違い、各人の心情。個人的に、「日常の謎」というミステリーのジャンルは、日常で起きる不可解な事件や出来事とその謎を描くことで、そういった出来事を起こした人間の心理、事件の向こう側の人の気持ちを描き出すものだ、と思っているのですが……その点でも、理想的な青春ミステリーアニメになっていたと思います。
 京都アニメーションの作品らしく、高校生活の描写も非常に上手く描かれていて、郷愁を誘われるところもありましたね。学園祭の様子等はほんと懐かしく、自分が学生だった頃のことを思い返してしまったりもしました。
 また、アニメらしくキャラをデフォルメされていて、えるや摩耶花がとても可愛く描かれていたのも印象的でした。「わたし、気になります」の口癖がほんとに可愛く思えました。
 長編エピソードでは「愚者のエンドロール」、短編エピソードでは「正体見たり」が特にお気に入りです。
 奉太郎たちが一年生の時の話はこれで終わりですが……原作「古典部」シリーズのエピソードが溜まったら、続きも是非アニメ化して欲しいですね。

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