久道進の日記帳

文芸同人サークル「Whatnot」活動報告/本、アニメ、映画、ボードゲーム等の感想・レビュー

「キャロル&チューズデイ」

 火星を舞台に、ミュージシャンを目指す二人の少女の姿を描いた物語。

 家出をした娘と、親の顔も知らない難民の少女。対照的な二人が出会い、互いに惹かれあったことからコンビを組んで音楽活動を始め……そしてその二人が中心となって、大きな奇跡を起こすまでが描かれていました。

 全体的に大人しい感じの雰囲気というか……感動的な演出や展開を敢えて避けているように思いました。ミュージシャン同士の関係性の描き方も控えめな感じで。良く言えば現実的な描き方ですが……ドラマとしては、ちょっと物足りなく思えるところもありました。

 歌や音楽は毎回素晴らしかったです。一度見終わった後、歌のシーンだけをまた見返してしまうほどでした。

 難民の問題や表現活動の規制等、描かれている題材は、今、現実の世界でも起きている問題であり……考えていかないといけないことですね。もうちょっと踏み込んで描いて欲しかった気もしますが……娯楽アニメとしては、これぐらいのバランスの方が良いのかなぁと思ったりもしました。