「２０世紀少年第１章終わりの始まり」

　録画しておいたものを視聴。コミック原作の映画で、全三部作の第一作目。全体の導入部となるストーリーで、謎はまるで解明されていませんが、お話はきちんと一区切りつけているので、不満なく最後まで楽しめました。タイトルも「第１章」として、続き物であることを明確にしていますしね。
　子供の頃、仲間たちと書いた落書きのような「よげんの書」。その内容通りに次々と起こる不可解な事件と、それを実行していると思われる「ともだち」とその団体。かつて正義のヒーローを夢見ていながら、冴えない大人になってしまった主人公は、昔の仲間と一緒に「ともだち」と対決することを決意する……。
　浦沢直樹さんの原作の雰囲気、サスペンスの面白さが生かされていて、続きが気になる展開となっていました。設定には結構無理があるように思えますけど、テンポの良い展開で見ている間は気になりませんでしたし。荒唐無稽なだけのお話にならないよう、ギリギリのところでうまくバランスがとられているとも思えます。
　登場人物が多く、主人公との繋がりをきちんと描けていない人物がいるのは難点。昔の友達との絆が今一つ伝わってこないところがあって、それがクライマックスを弱くしてしまっているのは残念でした。