「ICHI」 - 久道進の日記帳

　テレビ放映されたものを視聴。
　女性版「座頭市」。盲目の旅芸人であり、凄腕の剣士でもある市は、刀を抜くことのできないお節介な侍藤平十馬と知り合ったことで、宿場町を食い物にするならず者との戦いに巻き込まれていくことになるのだが……。
　宿場町を仕切るヤクザとその町を荒らすならず者の争い、そこに用心棒としてヤクザに雇われることになる藤平十馬と人と関わろうとしない市の物語……それらの話がうまくまとまっていない印象を受けました。物語での市の立ち位置も弱く、そのためかクライマックスも盛り上がりに欠けてしまったように思えます。藤平十馬が遂に刀を抜くところや、市が最後に決着をつけるところなどは、本来ならもっと盛り上がるはずなんですけどね……。
　藤平十馬と市、二人を共に主人公のように描こうとしたことが良くなかったのかもしれませんね。