久道進の日記帳

文芸同人サークル「Whatnot」活動報告/本、アニメ、映画、ボードゲーム等の感想・レビュー

「劇場版 鬼滅の刃 無限列車編」

鬼滅の刃」の劇場版新作アニメーション。先日、友人たちと新宿の「バルト9」で見てきました。映画館で映画を見るのも、随分久しぶりのことでした。

 行方不明者が続出する列車の調査に向かった炭治郎たち。炎柱・煉獄杏寿郎と合流した彼らは、人を夢の中に閉じ込める力を持つ鬼と戦うことになるのだが……というお話。

 テレビシリーズからそのままお話が続いており、原作の一エピソードを劇場版作品として一本にまとめたといった感じでした。そのため、「鬼滅の刃」をまったく知らない人にはお話が理解し難い作りになってしまっていると思いますが……でも、それは仕方のないことですよね。それでも、炭治郎が閉じ込められた夢の描写から、彼の過去の悲劇は想像できるようになっているので……「鬼滅の刃」を初めて見る人にも、炭治郎の覚悟やその性格は充分伝わると思います。もちろん私はテレビシリーズを見ているので……炭治郎の戦いは本当につらく、見ていて涙ぐんでしまうほとでした。

 炭治郎に感情移入すればするほど、鬼の存在がおぞましく許せないものに思えてきて……だから余計に、鬼との死闘にも手に汗を握り、見入ってしまいました。迫力満点のアクションシーンは劇場の大画面でこそ堪能できるものになっているので、この映像だけでも劇場に足を運ぶ価値はあると思いました。

 鬼の恐ろしさが描かれると同時に……人であることを捨てた鬼の、ある種の弱さやみじめさが描かれているのも本作の特徴だと思いました。鬼は強く恐ろしい敵ですが、人の心の醜さや弱さの象徴でもあるのだなぁと思ったりもしました。

 約2時間。非常に面白い作品でした。「鬼滅の刃」が好きな人ならきっと満足できると思いますので、是非劇場で。