久道進の日記帳

文芸同人サークル「Whatnot」活動報告/本、アニメ、映画、ボードゲーム等の感想・レビュー

「平家物語」

 山田尚子さんの監督作品。
 父親を平家に殺された少女、びわ。父の仇でもある平家に拾われることになったびわは、その一族の終焉を見届けることになる……といった感じのお話。
 人の未来が見える異能の目を持つびわ。オリジナルキャラクターである彼女を通して、外部に対しては苛烈に振る舞う平家の内側……様々な人々が集まった大きな家族の「平家」、その繁栄と衰退、そして滅亡が描かれていきます。
 権勢を誇り、栄華を極めた一族が、力を失い、落ちぶれ、滅びていく姿。無邪気だった子供たちが大人となり、それまでの繁栄のつけを支払うかのように苦しみを味わい、そしてそれぞれの末路を受け入れていく……その様はやはり切なく、まさに諸行無常を感じさせられるお話でした。