久道進の日記帳

文芸同人サークル「Whatnot」活動報告/本、アニメ、映画、ボードゲーム等の感想・レビュー

「処刑少女の生きる道」

 この世の理を超えた力を持ち、やがてはその力を暴走させて世界に災厄をもたらすことになる「迷い人」。現代日本からやってくるその「迷い人」を処刑する神官のメノウは、「時」を操り半ば不死とも言える存在の少女アカリを殺すために、彼女を連れて旅に出ることになる。一緒に過ごすうちに絆が芽生えていく二人だったが、彼女たちの旅する世界はどこまでも残酷な運命を突き付けてくるのだった……といった感じのお話。

 一応ネタバレがありますので、まだ見ていない方はご注意下さい。

 流行の異世界転生・召喚ものに捻りを加えた感じのダークファンタジーで、大変面白かったです。処刑人として非情な仕事を続けながら、実際には情を捨てきれていないメノウと。典型的なヒロインのように思わせておきながら、実際には何度も時をやり直し、メノウを思いメノウに殺されることを望むアカリ。二人の関係の描き方がとても良かったです。

「迷い人」の異常な力、暴走したときのおぞましさや不気味さがしっかり描かれているのも良かったですね。

 ダークファンタジーとしてとても面白い作品でした。続きが非常に気になる作品。アニメでも続きが見たいですね。