久道進の日記帳

文芸同人サークル「Whatnot」活動報告/本、アニメ、映画、ボードゲーム等の感想・レビュー

「月曜日は赤」ニコラ・モーガン

 共感覚を題材の一つに、少年の成長を描いたファンタジー小説。ちょっと児童文学寄りかも。
 世界を変える力を手に入れてしまった少年が、自分の体の不調や、姉との葛藤を見つめながら、力の誘惑を振り払っていくお話。帯には、「少年の成長と初恋を瑞々しく描いた珠玉の青春ファンタジー」と書かれていますが、初恋描写は割りと弱めでした。姉との確執は、少年らしい潔癖性みたいなところが描かれていて、良かったと思います。
 五感が混じり合った共感覚の描写は、詩的で非常にきれいです。少し分かりづらいところもありましたが。
 物語としてもちょっと物足りないところもあったりして、そこは残念でした。

月曜日は赤

月曜日は赤